あまたのバーボンのなかでも、なぜか今ひとつ目立たないのがオールドクロウ。
甘ぁい感じが、個人的に大好きなんですけどね。
外飲みで「今日はバーボン気分だな」というとき、オールドクロウをロックでいただくことが多いのです。
糖化の際に仕込み水とともに蒸留廃液=バックセットを加えるサワーマッシュ方式が採られた最初のバーボンといわれています。
銘柄名のクロウとは、ラベルに描かれたカラスのことでもあり、発明者の一人であるスコットランドのジェームズ・C・クロウ博士に由来。
1830年代からしばらくの間、この製法で造られたウイスキーは大人気となり、オールドクロウの名を一躍世に知らしめます。
が、クロウ博士亡き後の品質の維持は厳しくなり、経営が悪化。
1987年にビーム社に買収され、現在はビームサントリーの傘下に入っています。
それにしても。
ぜひビーム買収前に生産されていた、以前の香味の「オールドなオールドクロウ」を飲んでみたいものです。
がしかし、個人的には今のオールドクロウ、これはこれで良いと思うのですよね。
自宅での定番酒の一つとしても、様子がいいと思います。
香りは樹液のようで、味わいはメロンパンやバニラ、ナッツのキャラメリゼのような甘さ主体。
あまたのバーボンの中でも洋菓子っぽさが表れています。
オールドクロウは松田優作さんが愛飲していたエピソードが有名ですが、ちょっと意外でもあります。
ハードボイルドな優作さんが甘いバーボン好きという意外性と、でも気取りのないハードリカーとして好んだというイメージとの整合性。
他にどんな酒がお好きだったでしょうね。
@カドヤ黒門町スタンド