毎度タイトルからして小並感で、あいすみません。
11,000平方メートル(約3,300坪)の延床面積に、約140台の新旧の車が展示されているトヨタ博物館(愛知県長久手市)に行ってきました。
トヨタファンはもちろん、すべての自動車ファンが一度は訪れねばならないといっても過言でない場所です。
トヨタ博物館は「クルマ館」と「文化館」の2館に分かれています。
上記の面積はクルマ館のみで、敷地全体の面積は46,700平方メートル(約14,000坪)という巨大な博物館です。
クルマ館はさすがトップメーカーのトヨタだけあって、自社の車だけでなく、国内外の他社の車もピカピカに展示。
これをすべて動態保存(動かせる状態)しているのだから、やることがケタ違い、スケールがでかい。
収蔵車両は出ているものがすべてでなく、バックヤード保存も含めれば200台超。
目的はライバル研究もあるのでしょうけど、史料価値の意味で大切にコレクションしているのは間違いない。
実際トヨタ博物館の有料ガイドブック(1,320円)によると、「開館以来、動態保存に議論の余地はなかった」そうで。
整備室に常駐するスタッフがメンテナンス記録を詳述し、劣化修復や先人の知恵を探るために大規模レストアも普通に行われている模様。
自動車草創期=ベンツ製のガソリン自動車第1号から最新の燃料電池車MIRAI(ミライ)まで、編年体式にハイライトで見られる展示構成を見ていけば、その保存状態の良さが誰だって分かろうもの。
ディカプリオの映画『華麗なるギャツビー』で登場した1920年代のデューセンバーグ、ヒトラーの国民車KdFワーゲンといった戦前のクルマ、戦後は個人的に愛着ある旧ミニ(モーリスミニマイナー)、あこがれの車アウディクワトロなど、歩いて見るだけでクラクラするほどです。
しかし最も萌えたのは、やはり純国産車。
ヨタハチことトヨタスポーツ800とトヨタ2000GTは、一角にコーナーが出来ているほど(冒頭アイキャッチ写真)で、自他とも認めるトヨタ史のハイライト。
セリカやソアラといったトヨタ車との久しぶりの再開に歓喜しつつ、もう記憶が薄れてしまったベレG(いすゞベレット1600GT)、マツダコスモスポーツ、日産シルビア、三菱コルトギャランなどなど、展示の数々に垂涎せんばかり。
動態展示とはいえ、当然ながら目の前で動かしてもらえるわけではありません。
が、ポイントごとに実際に敷地内で展示車を走行させている映像をモニターで流しているあたり、抜かりがないですね。
クルマ館を歩いただけでクタクタになり、館内のレストランで昼食休憩してから「文化館」へ。
ここではポスターや切手、カーバッジ、ナンバープレート、ミニチュアカーなど4,000点以上が展示されています。
入場者のクルマにまつわるメッセージコーナーや、クルマをモチーフにした書籍や漫画、レコードジャケットなども……。
ぼくはザーッと見ただけですが、それでも4時間弱はいました。
時間に余裕を持ってのお出かけをお勧めします。
来場者はカップルや家族連れが多く、誰もが見学マナーを守っていて気持ちよかったな。
展示されたクルマにおさわりする不届き者がいなくて安心、皆クルマを愛しているんだね。
展示内容もさることながら、素晴らしいのは案内のお嬢さん(コンパニオン)が要所に立ち、クルマの説明をしてくれること。
従業員という人的コスト(嫌な言い方!)は今どきいとも簡単に削られそうですが、こういうところを軽視しないところに企業姿勢を垣間見ます。
文化館の出口では、スタッフの女性が「ありがとうございました、どうぞお気をつけてお帰りください」と立ち上がって一礼。
いちビジターに対して、ここまで丁重な挨拶をしてくれるとは。
うーむ、さすがはトヨタ。
何から何まで、折り目正しく、ちゃんとしてる。
ちゃんとしてないコチラが気恥ずかしくなるくらいで、結局「すごい会社だな」と独りごちながら後にしたのでした。
トヨタ博物館
〒480-1118 愛知県長久手市横道41-100
開館時間:9時30分〜17時 ※入館受付は閉館30分前まで
休館日:月曜日 ※祝日の場合は翌日 および年末年始
入場料金:大人1200円、65歳以上700円、中高生600円、小学生400円 ※団体割引あり、年間パスポートあり