僕にとって金沢といえば、兼六園ではなくコチラ。金沢2日目。尾山神社にお参りしてから、歩いて金沢21世紀美術館に向かいました。
この美術館に来るのは2度目。前回旅程の制限でじっくり観ることが許されなかったリベンジです。今回は企画展はもちろん、美術館内をゆっくり回ることができました。
金沢21世紀美術館にお出かけの際は、下記の恒久展示3作品をぜひ見てください。無料の展示ゾーンにあり、どんなに時間がなくても体験できます。見て、触れる作品というのもこの美術館ならでは。
カラー・アクティヴィティ・ハウス
美術館の外庭、本多通り口の眼前にあるオブジェです。色の三原色CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)に染まった半透明のガラスが、カタツムリのようなカタチをしています。見る角度によって色が違ったり、すぐ近くの往来の人の様子も違った風景になったり。
ここはひっきりなしに人が訪れます。人が少なくなったところでパチリ。若い女子たちが「おっきく見えるぅ」と笑いながら、ガラスに映された自分の姿に見入っていました。コペンハーゲン出身のオラファー・エリアソン氏の作品。
スイミング・プール
ブエノスアイレス出身のレアンドロ・エルリッヒ氏の作品。本多通り口から入場すると、正面奥にあります。プールを覗くと、水中に人がいるかのような錯覚に襲われます。実際はガラスの上に10cmほどの水が張られているだけ。
水中のように見える地下から地上を眺めると、こんな感じに。地上と地下から見た景色の違いも楽しめます(地下に行く場合は有料観覧券が必要)。
タレルの部屋
本多通り口からよりも市役所口からのほうがアプローチしやすい展示です。作品名は「ブルー・プラネット・スカイ」。自動ドアから中に入ると、吹き抜けのような空間が。四方の壁際にベンチが据えられていて、寄りかかると、正方形に帰路とられたかのような空が視界に広がります。
ただそれだけなのですが、普段見上げることのない空の姿に、ふと気分が落ち着く。そんな展示です。空を見上げる人、目をつむる人、ぼーっとする人。この部屋の過ごし方は人それぞれ。iPhoneを取り出すのもはばかれるくらい静かな空間で、写真を撮るのは遠慮しました。
美術を身近にさせてくれる、金沢21世紀美術館のコンセプトを垣間見る展示。まだの方は、ぜひ体験してみてください。
そうそう、「起点としての80年代」と題された企画展も良かった。70年代までのストイックな表現、90年代以降のサブカルの影響を受けた作品の狭間にある、80年代の日本のアートにスポットを当てる展示です。
横尾忠則、森村泰昌、舟越桂、日比野克彦といったアーティストの作品を堪能しました。なかでもオルゴールのねじを巻かせるなど、観客に展示を触られる、体感させる藤本由紀夫さんの作品の数々を特筆しておきます。