僕にとって松本といえばココ。約20年前に松本を訪ねた際にも泊まったのが、「まるも旅館」でした。1868年(慶応4年、明治元年)創業の老舗です。松本駅から徒歩で15分くらい。「珈琲まるも」は蔵の建物の多い田川に面した、まるも旅館の一部です(旅館の建物は隣に)。
「松本民芸家具」の創始者である池田三四郎が設計し、今に続いている建物は松本大火後の1888年(明治21年)のものだそうです。
ここは民藝ファンなら訪れたほうがいい場所です。喫茶店内は松本民芸家具オンリーのテーブルとイス。落ち着いた照明、クラシックのかかる店内とオーディオ。そこに人が集い、雰囲気を形成します。
この日プリンが売り切れでしたが、ホットコーヒーだけで十分満足。お客さんがひっきりなしに来るのに静か。というか、ざわめきが心地よくて、スペースも保たれています。
BARもそうですが喫茶店も雰囲気なんですよね。喫茶店で大切なのはもうひとつ、落ち着けること。コーヒーの味はさして重要じゃない(美味しいに越したことはないけど)。
そういう意味で「珈琲まるも」は非常に落ち着ける、ホッとする、いつまでも居続けたい。そんな場所です。
松本民芸家具といえば、市内の中町商店街にある「中央民芸ショールーム」ものぞいてきました。こんな家具と暮らせたら最高ですが、お値段もまた最高で。貯金しなきゃ、です。