東京・大手町の丸紅本社ビル内に開館した丸紅ギャラリーに行ってきました。
全4回にわたる開館記念展のオープニングは「日仏近代絵画の響き合い」(〜2022年1月31日)と題され、国内外の画家の作品47点が展示されています。
もともと丸紅は1858年の創業以来、繊維の卸販売で成長してきた総合商社。
同社主宰による染織品の図案研究会「あかね会」には朝倉文夫、山口蓬春、藤島武ニ、岡田三郎助など70人の芸術家が集い、毎年デザインの発表の場になっていたそうな。
クラボウを成長させ、日本画家を支援するために大原美術館を開いた大原孫三郎を思い起こさせます。
個人的に好きなのは丸紅が古家新、小磯良平などに社内報の表紙絵を描かせたというエピソード。
画家にこういう仕事を振って画業を応援するなんざ、総合商社ならではのスケールの大きさであり、粋な心意気ってもんです。
このあたりは総合商社というか、創業家の近江商人ならではの「三方よし」的な気質によるものかも。
スペースは1フロアのみ、展示数こそ控えめですが、ゆえに分かりやすい構成です。
フランスで活躍した西洋の画家たちの作品と対比させる形で、彼らから影響を受けた日本の画家たちの作品を展示。
19世紀写実派・外光派・印象派作品のコローやクールベ、ルノワールから始まり、ヴラマンク、ルオー、デュフィ、ルドン。
これに対し藤島武二、岡田三郎助、児島虎次郎、安井曾太郎、小磯良平、熊谷守一などの日本の画家たちの作品が並んでいます。
個人的にはモイーズ・キスリングの「ミモザの花」の絢爛さがたまりませんでした。
丸紅ギャラリー、建て替え工事を終えたばかりで、展示フロアはできたて特有の香りが。
真新しく清潔で、久しぶりに「こけら落とし」な体験をしました。
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丸紅ギャラリー
住所:東京都千代田区大手町1-4-2 丸紅ビル3F
入場料:500円(電子マネーまたはクレジットカード決済のみ)
開館時間:10時〜17時
休館日:日・祝、展示替え期間、年末年始