最近はもっぱら気分転換の際の行動パターンが定石化しています。絵画を見るか、落語を聴くか。昨日は後者。夕方から時間が空いたので、鈴本演芸場に足を運びました。
通常、漫才やマジック、小唄といった落語の合間に挟まれる色物さんは、ぼくにとっては「一息ついたリラックスタイム」なんです。噺に集中するときとはまた違う、力の抜けたお笑い時間。色物さんの中には「トイレに行くなら今ですよぉー」なんて笑いを取るも方もいるくらい。もちろん真に受ける客はいませんが、やはりプロってすごい。そうしれっと言えるものじゃない。
この色物さんで目を引いたのは、夫婦漫才コンビのおしどり(漫才のホームランの代演)。針金でなんでも作る夫のケンと、アコーディオンでシャンソンを弾きながらトークを引っ張る妻マコのお二方。
客席をいじり笑わせてくれるのですが、客席から「何を作ってほしいか」リクエストを聞いてしまう。「白鵬!」という無茶振りにもちゃんと形にして答えてたケンさん、驚いちゃいました。
これにマコさんがアコーディオンで伴奏をつけるのだけど、この音色と曲調が哀感を帯びていて、なんだか涙が出そうに。そんな自分にまたびっくり。
調べてみたらこの二人、原発に切り込む芸人ジャーナリストとしても勇名を馳せているそうではないですか。いやはや全く知りませんでした。
この日は漫才のホンキートンク(ストレート松浦の代演)も飛ばしてましたが、初見のインパクトでおしどりがダントツ。今後注目したい芸人さんです。
落語も大いに笑いました。面白かった噺家と演目はこちら。
春風亭一朝さん
「蛙茶番」
古今亭菊之丞さん
「権助魚」
五街道雲助さん
「辰巳の辻占」
隅田川馬石さん
「粗忽の使者」
菊之丞さんが抜群でした。トリは馬石さんで、「そそっかしい人」のマクラからの本題がなるほどな流れ。楽しめました。