日本人とりわけ若い世代の読解力低下が深刻化しているといわれていますが。
これには紙からWebへ、調べるから検索へ、読むから見るへ……に学習や情報取得のやり方が変わっているからなのは明らか。
リアル書店がなくなり、本を読むといえば今や紙ではなく電子書籍が定着。
読むといえば、文章ではなく、PCやスマホの画面のテキスト。
今や「調べる」ことすらネットを使うのでなく、短文投稿のSNSでとなれば、そりゃあ読解力は落ちるでしょ。
読解力を高める方法は簡単で、ただひとつ。
本を読むこと。
これだけです。
個人的な話ですが、ぼく自身、小1から4年ごろまで「公文式」の塾に通わされていて、そのころは算数の計算問題が大の得意。
誰よりも早く解いて一番に提出し、おまけに100点満点で90点台を取るのは当たり前。
ところが、いつまで経っても通知表は普通を示す「3」のまま、5はおろか4さえ取れない。
心配した公文式の先生が当時、親に授けたアドバイスはひとこと
「本を読ませてください」
だったそうな。
なぜ成績が上がらなかったかと言うと、文を読ませる「応用問題」になると途端にサジを投げたから。
極端に言えば「3+2=5」はできるのに、「テーブルの上にみかん3つとリンゴ2つがあります。みかんとリンゴは合わせて何個になるでしょう?」と書いてあると答えられないわけです。
これはすなわち、本、文章を読む機会が少なかったから。
反省した我が親は、そこから息子に新聞を読ませたり、本を買って読ませたりしましたが、それに比例するかのように、それまで悪かった国語の成績が上がり、反対に算数の成績は上がるどころか落ち込む一方でした。
本を読むなら、できるだけ早く若く、幼いうちから読んだほうがいい。
そのときに意味がわからなくても、後で解釈できたり、再読で理解を深めることができるから。
読書は若ければ若いほど血肉になります。
で、若い10代のうちに読むのは、文学一辺倒です。
シェイクスピアだろうと、不条理文学だろうと、ミステリだろうと、恋愛小説だろうと、少なくとも読みながら同時に「自分で考える」ということができますから。
ちなみに、いいトシこいた男女が漁るビジネス書や自己啓発書なんてのは、読書のうちに入らんですわな。
メソッドやテクニックが手軽に見つけやすいものは、取説みたいなもん。
いくつになっても読書は、サボることなく習慣にしたいものです。