今から2年前、2020年3月にリニューアルした”新竹鶴”ピュアモルト、ようやく飲んでみました。
前の黒ラベルが油彩なら、こちらは水彩画といったイメージです。
竹鶴ピュアモルト 2020リニューアル(TAKETSURU Pure Malt) 43%
- 香り…レモン、カステラ、ほのかなピート、黒胡椒がけサニーサイドアップ。
- 味…ライトボディでシロップのような甘さ。徐々にブラウンシュガー、みたらし団子。
- 総評…ピートやミネラルが混じったような。輪郭がはっきりせず、余市も宮城峡も霞んだ「どっちつかず」な印象。
83点
@カドヤ黒門町スタンド
このノンエイジは17年・21年・25年が終売になったことと関連してリリースされたもの。
ウイスキーに強い酒屋さんで置いてあるのをたまに見かけますが、年数表記なしにしての価格面……。
中身はリニューアル前と変えられていて、シングルモルト余市の原酒比率が高められています。
ニッカウヰスキーの佐久間正チーフブレンダーによると、未使用だった発酵タンクを整備して週末もフル稼働させることで、2022年から3倍もの増産を見込んでいるとのこと(「Whisky Galore」19号 2020.4参照)。
そうなれば宮城峡との余市の在庫比率も変わるのは間違いなく、未来予想図はどうなるのか想像するだけでも楽しいです。
で、ニューピュアモルトですが……特徴があんまないなぁ、というのが第一印象。
1世代前の黒ラベルとの記憶レベルでも、明らかにライトになっています。
もちろんこの最新版は、これはこれでうまいんですけどね。
安定供給や、今の時代に合ったものを……となると、これが当面の答えといったところかな。
2019年から2021年にかけて、約65億円を投じて余市と宮城峡両蒸留所を設備増強しているニッカ、次の一手はどうくるんでしょうか。
長熟を出されても値段的に手が出ないのは目に見えているので、もう少し懐にやさしいミドルレンジに期待しちゃいます。