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映画『アンビュランス』、クルマ好きならずとも燃える快作。

マイケル・ベイ監督作『アンビュランス』(原題:Ambulance/2022年アメリカ)を観てきました。

大金を強奪した養子縁組兄弟ダニーとウィリアム(ジェイク・ギレンホール、ヤーヤ・アブドゥル・マティーン2世)が、救急車をジャックするアクション。
救急車にはEMT=救急医療技術者のキャム(エイザ・ゴンザレス)と瀕死の警官が乗っていて、追う警官隊は迂闊に手を出せないというシナリオ設定もミソ。
逃亡したい犯罪者&重傷者を病院に届けたい救命救急士、双方がどうピンチを切り抜けるか、手に汗握る展開が畳みかけてきます。
脚本のツッコミどころはたくさんあるし、救急車内のシーンなど「やりすぎ」な場面はあるけど、多少の粗は何のその、とにかく勢いで一気に見せてくれます。

地面から上を仰いだり、向かってくるパトカー群を細かく切った編集でハイスピードにするベイ監督おなじみの手法は健在。
今作ではさらにカメラワークが進化していて、ドローンを使ってのカーチェイス撮影に目がクラクラします。
出てくるアメ車の中でも、覆面パトカーの白色ダッジチャージャーがおそろしくカッコいい。
ただでさえクールなクルマたちなので、ベイ監督にかかるとスタイリッシュな魅力倍増です。

曲者ジェイク・ギレンホールは快作アクションを楽しそうに演じているし(ただの強盗ではないことが後に判明)、エイザ・ゴンザレス(『ベイビー・ドライバー』の彼女ね)はオイシイところを持っていく儲け役。
その他、追うLAPD(ギャレット・ディラハント、オリヴィア・スタンブーリア)やFBI捜査官(キーア・オドネル)なども、なかなか良い味です。

ベイ監督作品には正直食傷気味で、『バッドボーイズ2バッド』(Bad Boys II/2003)以来遠ざかってました。
でもね、このご時世、もう何も考えずにスカッとできるのが見たい!
本来そういう娯楽だったはずだよ、映画って。
というわけで、久しぶりに観たのですが……たぎりますね。観に行って大正解でした。
ちなみに本作の製作費4000万ドルは、ヤン・デ・ボン監督のアクション映画『スピード』(Speed/1994年アメリカ)とほぼ同規模。
アクション映画でこの予算、コロナ禍時代の映画製作を象徴するような破格の低さではないでしょうか。

なんだろう、カーチェイス好きでも個人的には『ワイルド・スピード』のような突飛すぎる設定のヒーローものには興味がない。
リアル感がないもの、現実的でないものは興が削がれるんです。
確かにすべてのアクション映画は現実味に乏しいと断じるのは簡単ですが、そんな中でも人間が描かれているのが良いんですよ。
それも、どこか満たされない人や、追い詰められている人が、なんとか折り合いをつけて、瀬戸際を打開して「それでも生きていく」ストーリーに魅かれます。

映画、せめて月1回くらいは観ないとアカンね。
年間50本観ていた若かりしときが懐かしい。

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hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性