「常連」という言葉に、特に何も感じることはないのですが、よく耳にする言葉です。
本来の意味は何なのでしょうか。
辞書を引いてみましょう。
じょう-れん【常連】[定連][名] 1.いつもいっしょにいて行動する仲間 2.興行場や飲食店などに、いつも来る人たち。常客(じょうきゃく)
――新選国語辞典(小学館) 第七版
ふむふむ。
「まぁそうだよね」とは思いますが、どうも肚落ちしない。
辞書的な建前を抜きにして踏み込むと、常連とは
客を迎え入れる店側が、そのお客さんに対しての独自対応する
ということ。
これは何も「特別なことをする」のではなく、たとえば
- 客と店側でしか通用しない符丁がある:客が「いつもの」といえば、客所望のものが注文として受けられる
- 客の好みに応じて店が“自動的に”物を調合する:既成の酒、カクテル、酒の度数の強弱などを調整する
- 客に会話を合わせてくれる:近況を聞く、共通の話題がある、ルーティーンがある
などですね。
そしてここがいちばんカナメなのですが
店側がその客を「常連」と認識している
ということ。
客の自称ではなく、店側がその人を常連と認めるか否か、です。
酒場なら毎日なのか、週イチか、月イチか。はたまたボトルを入れるか、何杯飲むか。
自分の意識や行いではなく、店側(店主、マスター)の認識次第。
なので間違っても自分から「おれはここの常連なんだぜ」と言わないほうがいい。
滑稽でしかないです。