関内ホール・大ホールで行われた『喬太郎・白鳥・彦いち三人会』に行ってきました(2022年6月25日、14時開演)。
新・北三国志 三遊亭ぐんま
銭湯の節 柳家喬太郎
仲入り
掛け声指南 林家彦いち
メルヘンもう半分 三遊亭白鳥
前座は二つ目の三遊亭ぐんまさんで、『新・北三国志』という新作。
「都道府県魅力度ランキング」の下位から脱するべく、栃木県と群馬県が熾烈な争いを繰り広げる物語。
ぐんまさんが若い時分に視聴していたというアニメ『三国志』からインスピレーションを得た演出が随所に。
この新作噺は初めて聴きましたけど、ぐんまさんの勢いを感じさせる愉しいものでした。
懐かしのプロレス(スタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディとかw)をネタに織り込んでくるなど、ぐんまさん自身の趣味やルーツ全開、アクションふんだんな高座に大笑い……というか、呆気にとられました。
個人的に、ぐんまさんは「光る二つ目」の最右翼。
次に上がった喬太郎さんが、ぐんまさんのことを「白鳥さんの秘蔵っ子」と紹介したんですよ。
「秘蔵っ子」って、すてきな褒め言葉だと思いません?
文章語のイメージで、しかも昨今見かけなくなりましたが、それを口頭で使った喬太郎さんに、聴いているこちらがうれしくなっちゃった。
その喬太郎さんは『銭湯の節』という新作を。
うーん、ひとことで言えばチャーミングな親孝行の噺といった趣。
若い時分、銭湯で男湯から聞こえてきた浪曲に「待ってました」とか「たっぷり」とか声をかけたかったけど気後れしてできなかったというおばあちゃん。
それを聞いた孫娘は一計を案じて……という物語。
浪曲の節回しと、おばあちゃん、孫娘、さらには「芝浜」の上手い&下手の演じ分けもあって、喬太郎さんの面目躍如。
いつもながら、いいもん見させていただきました。
仲入り後は、彦いちさんおなじみ、片言の日本語で奮闘するムアンチャイの大活躍を描く『掛け声指南』。
怪談を怖くなくするとどうなるか、という白鳥さんの実験的挑戦による『メルヘンもう半分』。
まさに、この3人プラスぐんまさんで、愉快な顔合わせを満喫したのでした。
関内寄席、良い企画を組みますね。
東京住みですが、今後もちょくちょくお邪魔しよっと。