上野鈴本演芸場2022年7月上席・昼の部は、柳家喬太郎さんの主任芝居。
その楽日(7月10日)に行ってきました。
百夜通い 小きち
偽り家族 やなぎ
マジック 美智・美登
猫と金魚 小平太
楽屋外伝 馬風
漫談 ホームランたにし
桃太郎 桃花
妻の旅行 はん治
漫才 ロケット団
初音の鼓 さん花
仲入り
浮世節 橘之助
田能久 扇辰
豆や 甚語楼
ものまね 小猫
銭湯の節 喬太郎
喬太郎さんは新作の『銭湯の節』。
先日、横浜・関内ホールで初めて聴いたばかりでしたが、2度目ともなるとナチュラルなサゲまでの脚本の巧緻に唸らされるばかり。
鈴本ですので、喬太郎さんの古典を期待していたのですが、新作でも当然アリ。
千秋楽にこの演目を持ってくるあたり、喬太郎さんの自作への愛情と力の入れ具合がわかります。
この日うれしかったのが、ホームランたにしさんの漫談を初めて聴けたこと。
ホームランはもともと漫才コンビでしたが、2021年9月に相方の勘太郎さんが急逝。
ソロ漫談として、たにしさんが再スタートしたのでした。
たにしさんは、この日のだゆきさんの代演。
ピンでもコンビ時代となんら変わらないどころか、むしろトークの熱量が上がっているのでは?
「勘太郎が皆さんに、”よろしく”と」と言って下りていった姿に、ちょっとジーンとしてしまいました。
いつも見ている人がいなくなるって、ほんといやだ。
食いつきで上がった立花家橘之助さんは、名人たちの出囃子を再現してくれるサービス。
八代目桂文楽の「野崎」、五代目柳家小さんの「序の舞」、そして古今亭志ん朝の「老松」。
「老松を」と橘之助さんが言ったときには、客席からどよめきが上がったほどで、これまたうれしいサプライズでした。