ネタバレなしで簡単に振り返ります。
予備知識といえば、ジャンプ連載時を経てコミックスで読んで以来。
映画についての情報は一切入れずに観に行きました。
……ってか、正直スルーするつもりだったんよ。
今なぜ映画化なのかもよく分からないし、アニメ化によって作画のイメージが壊されるパターンが嫌なので。
『SLAM DUNK』だけは、あの漫画のイメージのままに留めたかったから。
しかし、あれだけの伝説的な作品、期待を裏切るわけがない。
結果、素晴らしいのひとことでした。
デジタルの凄さ
まさにコミックスがそのまま動いているかのよう。
見始めたときは登場人物の身体の動きが不自然にユラユラしていると思ったのですが、スクリーンを見慣れるにつけ、気にならなくなります。
平面でも3Dでもない、日本アニメの最新系を見せてもらった感じです。
脚本の巧みさ
湘北の6人の中で、個人的に宮城リョータというキャラクターがいちばん好きなんです。
映画ポスターのセンターが桜木花道でなくリョータなのか意味不明でしたが、理解できました。
井上雄彦先生は、途中から登場したサブキャラを深掘りして主役に昇華させました。
原作を生かしつつ、コミックスで描かれなかった宮城リョータの「行間」を掘り下げた。
それだけでも凄い発想ですが、観終わってふと思いました。
「これ、桜木花道以外で全員作れるんちゃう?」
コミックスが「たまたま」花道を軸とした構成にしたのであって、全員が主役になれるという、物語とは別の視点を提示してくれた。
井上先生のなんたる懐の深さ、言葉がありません。
困った、他にもいろいろあるのだけど。
オブラートに包もうにも、自分の伝え方の稚拙ゆえネタバレになりかねず。
個人的に映画も演劇も、情報をなるだけ入れずに観に行くのが最善の楽しみ方と思うけど、この『SLAM DUNK』も例外なく。
で、一回見て総合的に雑感を脳内にまとめ、細部の理解でもう一度あるいはそれ以上鑑賞する。それが一番です。
うん、やっぱもう一度観に行こ。