スタッフや出演者が流行り病にかかってならともかく、製作側のミスで舞台初日が延びるという前代未聞の珍事がありました。
帝国劇場2月公演の”ジョジョミュ”ことミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』が、「複雑な演出プラン」ゆえ遅延が発生し、「さらなる修正・見直し等が発生する」ため、4公演を中止にするとのこと。
もちろん公演キャンセル分のチケット料金は返金されますが、初日2日前の告知ツイートは大炎上。
結果、主催者の東宝は下記のような補填措置を講ずることとなりました。
ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』一部公演中止に関するお詫びとお知らせ
詳しくはこちらからご確認をお願いいたします。https://t.co/oW57fMV5cC
— Musical ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド Official (@JOJO_MUSICAL) February 6, 2024
チケ代のほか、販売手数料、システム利用料、手配済みの宿泊費&交通費のキャンセル料(※キャンセル不可の場合は交通費&1公演につき1泊分の宿泊費)を主催者が負担するというもの。
ポイントはふたつ。
「ショウ・マスト・ゴー・オン」
かかわるスタッフの皆さんには、三谷幸喜さんが東京サンシャインボーイズ時代に上演した名作の言葉を贈りたい。
この演劇には副題があって、それは「幕を下ろすな」というもの。
一度開いた幕は何があっても途中で降ろしてはいけない
のですよ。
製作発表して初日も告知しているのに、それを反故にするのは……。
どんな理由があれどもです。
本作を観劇予約しているファンだけでなく、周りの演劇関係者にも影響を及ぼすし、これが罷り通ると演劇文化の衰退にもつながりかねません。
延期は百害あって一利なしで、収益面以上の打撃となります。
返金&手厚い補償でも足りぬ
上記チケ代以外も補償することは一見、誠意あるように見えますが、まぁ当然でしょうね。
キャンセルとなった公演を楽しみにしていたファンへの慰謝料、チケット争奪戦を戦い抜いた労力、この日のために空けたスケジュール、有休手配なども含めると……。
その口惜しさたるや、察するに余りあります。
まとめ
キャンセル告知が大炎上したから、今回の補填措置につながったとは言いたくないけど。
どんなことでも我々は理不尽をあきらめるのではなく、「怒る」ことが大事ですね。
寛容に振る舞うとつけあがり、舐めてくる人っていますし。
そして主催者は、もう作品の出来で名誉挽回するしかないですよ。
今回の延期はそれくらい蛮勇です。
本作を見に行きませんが、いち演劇ファンとして、そうなることを願っています。
にしてもなぁ、「流行り病で……」として方便を使ったほうが良かったかもしれんね。
その点今回のは誠意ある振る舞い、アナウンスでした。