民藝好きなら一度は泊まらねばならない。松本市の「まるも旅館」はそんな宿です。
門扉をくぐり土間に続く空間に入り、履き物を脱ぎ、ロビー兼食堂でチェックイン。朝食付きの料金税抜6,000円(素泊まり税抜5,000円)を先払いして、階上の部屋に。
キシキシと音の鳴る廊下を歩き、階段を上ります。部屋は3階をあてがわれました。特に2階から3階への階段が急なので、酔ったときの移動は要注意w
多少の不便を補って余りある雰囲気
全8室の和室は手入れが行き届いて、腰を下ろすと部屋から出たくなくなる居心地のよさ。広さは6畳ほど。部屋は外から鍵がかけられないため貴重品は部屋備え付けの金庫に入れるか、自分で肌身離さず管理します。トイレは共同(1階と2階にあり)、風呂も共同(脱衣所に施錠してあれば、他の客が使用中)。
上げ膳据え膳の旅館とは異なるコンパクトさ。でも、これで十分です。
松本民芸家具を軸に、至るところに民藝が
「その気になれば部屋から出ないで済む」「上げ膳据え膳」は旅館の醍醐味ではあるけれど。ここに泊まるなら、しつらいはぜひ見てほしい。松本民芸家具で統一された室内、階段の踊り場にある置物、タペストリー、朝食の器。そこかしこに民藝が溢れています。
松本という土地とその宿に息づいた「用の美」は、泊まれば理解できる良さがあります。
もはや貴重なオーソドックスの朝食
川魚(ニジマス)、だし巻き卵、わさびの花のおひたし、香の物、味噌汁とごはんはおかわり可。特にごはんがうまい! 最近は旅行でも朝メシ御免でしたけど、久しぶりに2杯もおかわりしました。デザートもかわいい。もはや見かけなくなった、りんごの切り方よ。
朝7時から9時まで30分単位で選択できます。周辺に朝食をとれる店は多くないので、宿泊するなら朝食付きがお勧め。というか、悪いこと言わないから食っとけ! 素泊まりを否定しないが、ちともったいない。
実に25年ぶり2度目の宿泊体験でした。正直、前回の記憶がおぼろげにしかなく、ほぼ初めて伺うかのような印象。流行りのラグジュアリーとは対照的ですが、ホッとする異空間を味わいたい向きには文句なしにお勧めです。いるだけで心穏やかになる、日常の隣りのような非日常。長野旅行のプランのひとつに、ぜひ。
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