ちょっと遡ること6月22日、ウイスキー文化研究所のバーボン基礎講座に参加してきました。前回の基本編に続く第2回は「製法」について。土屋守代表がレクチャーした後に、5種類のテイスティングアイテムを試してみます。これが美味しかったんです、非常に。
前回は受講前後であまりテンションが高鳴ることなく終了。今回はバーボンに対する免疫ができたせいか、すんなりテイスティングに入って行けました。むかしはバーボンしか知らなかったくせに、妙に舌が肥えちゃって自分でもイヤな感じです。
テイスティングアイテムは例によって5種類。
フォアローゼズ プラチナ
フォアローゼズの日本限定にして最上級品。華やかでバラの香りを本当に感じます。「トゲのないバラ」の異名は伊達じゃないですね。
フォアローゼズ蒸溜所は非常に清潔で、機器の一つ一つに手入れが行き届いているそうです。原料の管理も厳しく、主原料のデントコーンを契約農家からわざわざ買い付けているとか。のみならず、バーボン特有のカビ臭を許さないのがフォアローゼズ。搬入されるトウモロコシを任意に選んで、わざわざレンジでチンしてカビのチェックをしているのだそう。
ウッドフォードリザーブ
ケンタッキーダービーのオフィシャルバーボンです。スィートな面とスパイシーな面が交互に。後述するワイルドターキーのテイスティング後に飲むと、トウモロコシ由来のヌメッとした甘さが。
バーボン不況により閉鎖した蒸溜所ですが、ブラウンフォーマン社が1994年に復活させました。アーリータイムスでもオールドフォレスターでもないバーボンを作るべく、3回蒸留を取り入れたそうです。リッチなバーボンなのに飲みやすいのはそのためかも。
ワイルドターキー17年 マスターズキープ
今回の中で一番お値段が高いからではないだろうけど、これがダントツに美味しかったです。ターキー、苦手なはずなのに。完全に認識が覆りました。
ストレートでもうまいのにはビックリ。マラスキーノチェリーのようなベタッとした甘さ。土屋さんが懐かしの清涼飲料ドクターペッパーに喩えたのが、なるほど確かに、でした。
ワイルドターキー フォーギブン
ライっぽくスパイシーでした。後から甘みも。文字通りライ麦パンのようです。資料にはバッチナンバーが303と出ていました。実は相当数、造ってるのかも。
これは純然たるバーボンではありません。6年物のバーボンと4年物ライウイスキーを、蒸溜所のスタッフが誤ってミックスさせてしまったのが由来。だから「フォーギブン(=許してちょうだい)」だそうな。比率はバーボン78%、ライ22%とのこと。
イーグル・レア シングルバレル10年
トップノートがややキツい印象。飲むとシャープで端正、シャキッとします。
このイーグル・レアは国分のオリジナルブランドで、日本仕様の特注だそうです。蒸溜所はバッファロートレース。レアという名のこれをはじめ、プレミアムバーボンをいくつも創出しているブランド。それだけに熟成のマネージメントも半端なし。ウェアハウスは寒暖の差が激しい気候に対応し、気温が4度以下になると自動的にヒーターが入る仕組みとか。すごいなぁ。
どれも個性が立ってて、素晴らしかったです。ワイルドターキー フォーギブンに着想を得て、好きなバーボンにお気に入りのアイラモルトを垂らしてみる、なんて冒険も案外面白いかもしれませんね。今度やってみよっと。