有観客での生配信ライブ『文春落語オンライン 紀尾井町演芸館Vol.11 柳家喬太郎×林家二楽』会場観覧で聴かせていただきました(2023年12月16日19時、文藝春秋西館地下ホール)。
前半の演目もさることながら、後半のトーク部分、ある意味すごいものを目撃するひとコマが。
天野屋利兵衛 喬太郎
紙切り 二楽 八楽
時そば 喬太郎
仲入り
忘年会トーク 二楽 喬太郎
個人的に配信会場から観客としてライブ参加するのは、落語では初めて。
「ようこそいらっしゃいました」と高座に上がった喬太郎さんによる「前説」的なものもあって新鮮!
「天野屋利兵衛」という艶笑小噺から入った喬太郎さん、2席目では「”コロッケそば”なんて噺をしたことはない」とうそぶきつつ、蕎麦に入っているかき揚げに言及。
噺家って常にこんな面白いことを考えているのかしらん、というまくらです。
紙切りでは、二楽さんとそのお弟子さんである八楽さんが横並びで紙切りを披露。
師弟にして親子。照れはおろか情も何もなく、フラットな関係性(師匠・二楽さんの無茶ぶり6割、優しさ4割の感)がありました。
後半のトークが想像以上の展開に
15分の休憩を挟んでのトークは、週刊文春の記事広告で見かける焼酎の「赤兎馬」を飲みながらという趣向。
枝豆やさきイカのようなつまみも誂えてあって、余興というには本格的。
赤兎馬を割って飲みながらの、ざっくばらんなトークで喬太郎さんも二楽さんも実に愉しげ。
実際、酒の勢いも手伝ってかキワドイ発言もあり、喋った後に時すでに遅しながらフォローする一幕も。
トーク後半、コーナーでは会場とライブ配信の視聴者から事前に受け付けた質問に答える場面がありました。
その中で「定年を越したら落語家に入門したいという友人がいて、諌めている」という便りが。
喬太郎さんが「シラフじゃ言えないんだけど」と前置きしてからカメラ目線で放った返しが強烈でした。
これはね、喬太郎さんなりの愛と受け止めました。
無難にやり過ごせるところなのに、なかなか言えることじゃない答えでしたから。
アーカイブ配信期間中につきネタバレになるので書けないけど、喬太郎さんが普段はおくびにも出さない自負と矜持を垣間見た次第で。
それまでの和やかさから一転、張り詰めた雰囲気となった会場に、喬太郎さんも「おぉ、凍りついてる」とニヤリ。
そんな喬太郎さんの返しを拾いつつ、同じ質問に対して淡々と分析した二楽さんの答えもまたうなずけました。
いや~、ほんとすごかった。
終了予定時刻を20分もオーバーするほどのサービスぶり。
2023年12月23日まで配信(下記リンクにてチケット販売は22日まで)しているので、これはいろんな人に見てほしい。
アーカイブ配信は編集、してないですよね? 文春さん。