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JR京葉線のダイヤ改正は、都市機能集約への試金石のひとつ。

東京駅と千葉県の蘇我駅を結ぶ京葉線の快速と通勤快速を廃止し、各駅停車のみの運行とするJRのダイヤ改正(2024年3月16日実施)が波紋を広げています。
かつて、ぼくは京葉線を毎日のように利用していた時代があり、今回の報道は否応なしに目に入ってしまうのです。

東京⇄蘇我の所要時間は通勤快速で最速37分、各駅停車では49分。ダイヤ改正が実施されて全線が各駅停車に変更になると所要56分になるとか。
今よりも最大19分も長くかかるわけです。

千葉方面の方は帰り道もさることながら、朝の時間帯での約20分の誤差が生じる影響はとんでもなく大きい。
朝の通勤時は5分、いや3分早いだけでも電車内の混み具合、車の通行量の体感が変わります。

今回のダイヤ改正で千葉県知事、千葉市長はじめ沿線の自治体からJRに対し撤回を求める主張が相次いでいます。

千葉県の自治体が抗議するのは当然でしょう。
東京から遠方に住んでいる人ほど「全線各駅停車化」によるダメージが大きい。
快速停車のアドバンテージを生かして、快速停車駅付近に自宅を購入した人の場合、メリットが大幅に減ります。
半面、従来から各駅停車しか止まらない駅付近在住で東京に通勤している人は、快速が各駅停車に「格下げ」されることで、実質増発する恩恵を受けられます。

だから京葉線沿線の利用者も今回のダイヤ改正に対して一様に反対ではなく、ポジショントークとなるわけです。

都市機能集約への一例となる施策か

自治体の要望に応じてJRが前言撤回するか?
撤回しないのではと、ぼくは予想します。
というかJRも馬鹿ではないので、反発が出ることは元より承知で、結論ありきのダイヤ改正という気がします。
これまで停車していなかった、特に都内に近い沿線の駅に停車する電車の本数を増やすことで、恩恵を受ける住民がいることは確か。

極端な話、「これが嫌なら、(利便性の高い)東京に近いところに越してください」と言っているようなもので。
遠方に行くほど客数が減るのは自明であり、終着の蘇我駅はじめ、蘇我駅で接続する内房線・外房線などの遠方に配慮した快速の本数を増やすメリットはJRにない。

今回のダイヤ改正は随分と強気に出たなという感想ですが、ある意味JRの本音が表れた施策といえます。

これ、実は単なる一路線のことでは決してありません。大都市とそれ以外の街(=いわゆる地方)を問わず、類似の路線に同様の措置を行う地ならしといえます。
京葉線の不都合な真実は、電車利用者がどこに住んでいようと、決して他人事で済ませられない問題をはらんでいるのです。

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

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