「有隣堂が関西に進出」という、昨今の書店界には珍しい明るいニュースが飛び込んできました(朝日新聞デジタル、有料)。
悲しいかな、大型の店舗から街の本屋さんまで、リアル書店の閉店が珍しくない時代。
有隣堂はYouTubeチャンネルの開設や、誠品生活日本橋の運営など、ベンチャー気質に富んだ試みを行っています。
横浜発のいち老舗書店から東京や千葉にも進出し、好調な業績にあぐらをかくことなく、新機軸に打って出る。
縮こまった書店界にあって、攻めている印象を受けますが、実は街場にも控えめながら個性の光る書店はあるのですよね。
全部都内の書店で恐縮ですが、たとえば
- 東京堂書店(神田神保町):1Fレジ前に鎮座する店員リコメンドの本が並ぶ「知の泉」は欠かさずチェック。すずらん通りに面したカフェで買った本を供にホッとひと息できるのも良い。
- 往来堂書店(千駄木):地元いわゆる谷根千界隈の関連書籍はもちろん、文庫や新書の精選ぶりや、ジャンルではなくテーマで束ねられた棚を見るだけで楽しい知のインプット。
- 猫の本棚(神田神保町):書店員ではなくユーザーが棚主となって、縦35×横30×奥行30cmのロッカー型書棚に好きな本を並べて販売するシステム。落語家の春風亭一之輔さんも棚オーナーです。
書店の地味ながら革新的、実験的な取り組みは書店不況の今に始まったことではなく、以前からあったんですよね。
こういう地道な取り組みが各所であるから、自分で探す醍醐味も増幅するのです。ぼく自身が安易にネット書店に頼りたくない天邪鬼気質なのは置いといて。
もっとリアル書店に行きませんか?