俳優の杉良太郎さんが能登半島地震の被災者を見舞って、金沢市内で炊き出しを行ったと報じられました。
杉さんは慈善活動に熱心なのはつとに有名で、全然不思議なことではありません。
が、Twitterでこのニュースにちなんで「売名行為」がトレンドワードになっていたのには仰天しました。
杉さんを「売名」と批判する人は、その言葉の意味を分かっているのかね。
ばい-めい【売名】[名]自分の名を世間にひろめるようにつとめること。「――行為」
(小学館『新選国語辞典』第七版)
露悪的にインプレッション数を稼ごうとする動画クリエイターや、功を焦る自称ジャーナリストなど我先にと現地入りする人を「売名」と非難するならまだ理解できる。
杉良太郎ほどの有名芸能人で、とっくの昔に俳優としての地位も確立している人のことを、売名と批判する神経がわからん。
あのですね、そもそも有名人が慈善活動するのは売名とは言わない。
もはや名前を売る必要などないからです。
というか、ほとんどの無名の人は、どんなボランティアでもアピールした時点で売名になっちゃうじゃん。
こうした批判に対する杉さんの答えがシンプルに冴えていて、東日本大震災で被災地に救援物資を届けた際、
「ええ、売名ですよ。皆さんもおやりになるといい」
とピシャリ。
刑務所の慰問(法務省から特別矯正監に任命され、刑務官の待遇改善にも尽力)を行い、ハンセン病患者の療養所で『遠山の金さん』の芝居をし、ベトナムやミャンマーの子どもたち200人以上の里親になっている人だぜ。
おそらく本当の意味で「チャリティ」という言葉が当てはまるのは、杉良太郎くらいのものでしょう(活動を公表していない有名人もいるかもしれんけどね)。
すぐ売名だの偽善だのと批判する風潮は、なんだか寂しいね。
杉良太郎さんの行いは並大抵ではできない偉業だと称えるけどね、ぼくは。
批判できるだけのエネルギーがあるなら、自分の行動に転嫁しようっと。