100円ローソンでヒットした「ウインナー弁当」が、関東地方1都6県のローソンでも売るようになったそうです。
シンプルに「おかず1品とごはん」の弁当って、別に珍しくない。
コンビニで見かけるハンバーグ弁当とか、ぼくが愛してやまない駅弁のチキン弁当とか。
これはもう、ウインナーというインパクトに尽きます。
普段はおかずのうちの一品に過ぎなかったものがデーンと、しかもそれだけというおかず。
見た目がユニークな個性派俳優がいきなり主役に躍り出て、しかも一人芝居をしているようなもんです。
でもウインナーだけで十分という人が意外にいたってこと。
加えて破格の安さ(216円)ですから、「手元不如意で仕方なく買う」人も取り込む。
受け入れられない理由がないですよ。
ウインナー弁当のネットニュースに接して思い出したのは……食べ物ではありません。
電子文具「ポメラ」のヒットの記憶がよみがえりました。
ポメラは「書くこと」のみにフォーカスした、いわばデジタルメモ帳です。
多機能がもてはやされるご時世にあって、一切の機能を排したことで、累計30万台超のヒット商品になりました。
そんなに要らないのになぁという勘どころを押さえ、ニッチなニーズに応えたもの。
派手さはないけど、一部に熱狂的に受け入れられる商品っていいですね。
前髪カットのみで月額1,000円のサブスクを導入した美容院とか、寝るだけに特化したカプセルホテルとか、メニュー1品に絞ったレストランや定食屋さんとか。
「それだけの目的」で潔くサービスを選り抜くことで、隠れたユーザーさんを掘り起こし、その人に気に入ってもらえればファン化にまでエンゲージメントを高められる。
今昔問わず「1点突破」というのは、開発の面で案外発想の面白さや独自性のカギを握るのかもしれません。