週末のジョギングがてら藝大の卒展に寄り道。
卒展=東京藝術大学 卒業・修了作品展は今回で72回目です。
何がすごいって、その規模。
美術学部の全科、全学生の作品が一堂に会するだけでに、大学美術館のみでは収蔵しきれず、学内アトリエや屋外展示も。さらに近隣の東京都美術館でも展覧会が行われています。
正直、作品の質云々についてはわからないけど、作品ひとつひとつに込められたパワーは感じます。
作品の側でアーティストが佇んで知り合いと話したり、説明したりする風景は、通常の美術展では観られないもの。
観る側の卒展の醍醐味とは
ざーっと観てまわっただけだけど、とにかく展示点数が多いし、観覧客も大勢でワサワサしているので、じっくり観ることは難しい。
そんな中でも、こちらがキラーンとなる作品を発見したときの軽い興奮、これですよ。
それを感じたものが4作品ほどありましたが、なかでもデザイン科修士・高芝祐衣さんによる『cache cache』(アイキャッチ写真)という作品を挙げたい。
『cache cache』とは(かくれんぼ)の意だそうで。
本作はアーティストの自宅から半径1km範囲の風景に材を取り、その造形をヒントにテキスタイルを編み出したもの。
なんてことのない日常の見慣れた風景も、見方を変えれば材料になるくらいの魅力が隠れている。
気をてらうのではなく、手の届く範囲から全く新しい着想を得てカタチにされたことに感嘆。
卒展時点では無名の作家たちですが、名前にとらわれず、「これは」というものがある。
こういう発見があるのがたまらんのです。