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テレンス・コンランのデザインのカギは遊び心ではないか

テレンス・コンラン(1931-2020)といえば洒脱で洗練された家具をデザインする人というイメージで、丸の内に「ザ・コンランショップ」がオープンした当時は買えもしないのに冷やかしに行ったものです。
その88年の足跡をたどる展覧会『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする』(2024年10月12日〜2025年1月5日)は、回顧展というよりも本人の哲学が浮き彫りにしたような力のこもった展覧会でした。

食器やテキスタイルのデザインといった初期作品から愛用品・著書・写真まで300点以上が集った展示品は、アーティストの好きなものや発想の源を覗き見するような楽しさ。
モダンデザインというとコルビュジエの建築のような無機質で不愛想な出来栄えもありますが、コンラン卿の手がけるデザインには茶目っ気が溢れています。
コンラン卿のモットーは「Plain,Simple,Useful(無駄なくシンプルで機能的)」ですが、これに「humor」も加わっている気がするのです。

手工芸の復興と住環境の改善を謳ったウィリアム・モリス提唱による「アーツ&クラフツ運動」の影響を受けているルーツも、プロダクトを見ているとわかる気がします。
日本の民藝作品のように生活の中に違和感なく溶け込めるのですよね。

シンプルでカラフル。おしゃれで使えば気持ちがいい(使ったことないけど)。
家具デザインに留まらず都市開発やレストランなど文化事業も担う売れっ子ぶりも納得です。

地域性を排除した画一的なビルばかりが林立する今の東京を、この人がデザインしたらどうなるのだろう。ないものねだり。
展覧会の最後に展示してあったグローブ・トロッターのスーツケースがすてきだったなぁ。

2024年11月16日 東京ステーションギャラリー

「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」ポスター

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

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