最近、東京の街中でなんだかなぁという風景を見かけるうちのひとつが、ベンチのある場所。
ストリートや公園、遊歩道とかにある長椅子ね。
曲がりくねった形状のベンチがネットニュースになっていましたけど、今に始まったことじゃない。
- よく整えられた花壇にコマ割りのように座るスペースの間隔が空けられている隅田川テラスのベンチ
- 道端の広いスペースに、意味のないオブジェを散りばめる
- 「長時間の居座り禁止」などの貼り紙がある
ホームレス排除が目的なのは言わずもがな。
これらはほんの一部で、他にもいくらでも目につきます。
ただしそれがもはや当たり前の風景と化してしまい、いつしか疑問にすら感じなくなる。そちらのほうが怖いね。
アートっぽく見せかけて、それがホームレス排除と表立って言わない巧妙さが胸くそ悪い。
こういう見せかけの演出に長けているのが日本社会の特徴で、外国人へのオモテナシとか、未だにマスクで感染配慮とか、薄っぺらくて。肩をすくめるしかありませんわ。
結局ベンチ問題の内実は、「臭いものにはフタ」なんだよな。
間違いなくそこにあるのに、見たくないもの、迷惑なものとして、無かったことにしてしまう。
圧倒的多数派が、少数である弱者を排除する薄ら寒さ。
ベンチ問題は狭量で貧相な日本社会を端的に表した一例と言えるでしょう。
アイキャッチ写真は神保町三井ビル脇の歩道ベンチ。
こじんまりしてるけど、こうありたいもんだよ。
三菱や三井あたりには、単なるデベロッパーではない余裕と余白と哲学を兼ね備えた街づくりを期待します。