最近自分のスマホに銀行やカード会社から営業電話が2件ほどかかってきまして。
電話主のズルいところは、用件を切り出さないんですよね。
「お伝えしたい点があってお電話しました」という台詞に、なにかトラブルでもあったのかと一瞬ギクッとさせられます。
当方がすぐに察して「これ、営業ですか?」と聞くと、直截に答えず、「お得なサービスのご案内です」とか言いやがる。
こういうときは「この電話番号をどこで知ったのか」を問いつつ、「二度とかけてくるなタコが!」の旨を穏便に伝えて終わりです。
転じて仕事での話。知人の属する組織のことで、話を聞いてストレスがたまるなぁと同情したもんです。
内線電話や社用スマホのSNSの通話機能を使っての通話で、でかいタスクを指示する&されるって話題。
これは消耗しますな。なぜか。
通話での業務指示がなぜ良くないか、そのリスク
- ログ(記録)が残らない:相手によっては「聞いてません」「失念していました」なレスポンスが罷り通る
- 指示者の意図が正しく伝わらない:方向性を誤ってしまい、指示者の求める結果との齟齬が生じる
- 結果的に時間泥棒になる:確認や復唱、手戻りが発生し、相手(部下など)の時間を取らせる
お気づきでしょうか。
指示する側も、される側も実はうまみがない。メリットは用件の伝達が速く済むくらいです。
さらに言えば指示される側が不公平なんですよ。
指示するほうは口頭で一方的に指図するだけなので、指示されるほうが特に注意喚起を要するわけです。
しかも、受け手の状況や理解レベルを無視した、「自分の指示は相手が正しく理解できて当たり前である」という根拠不明のバイアスが往々にして作動する。
部下が上司に「この場合どうすればいいでしょう?」と判断を仰いだり、上司が部下に「あれ、どうなってる?」と案件の進捗確認するような、口頭のやり取りならOKなんですよ。
部下は「事実のみひとこと」を報告し、もし求められれば「その詳細を補足」すれば済むからね。
自戒を込めて言えば、議事録とかメモとか、タスク管理ツールとか、いずれにせよなんらかのログが残らない指示出しは、管理職の甘えです。
まとめ
いいですか。暴論ですけどね、口約束の契約が効力を有しますか。
組織内だからといって電話でなんでも終わらせたがる人って、「親戚・身内だから書面を取り交わさなくていい」ってマインドなんかいな。
甘えもいいとこですな、いっぺん痛い目に遭ったほうがいい。
以前、取引先でやたら電話を好む人に辟易させられた経験談を書きましたが、これは仕事の姿勢としてよろしくないね。
ま、管理職が口頭で指示して終わらせたい気持ちは分かるんだけどね。
なにしろその場チャチャッと終わるから。そりゃスピードは速いわな。
しかし指示されるほうは堪ったもんじゃない。
指示内容によっては、インタビューのテープ起こし作業のように、いちいち巻き戻して確認する必要があるからね。
知人の話は決してひとごとではないなと耳を傾けました。
ぼくも長年、紙媒体やWeb企業に在籍して「テキスト文化」で育ってきたもので、電話や動画をコミュニケーションの主とする文化には今ひとつ、なじめないので。
性分なのでもはや改めようにも無理。
せめて自分はやらないよう、同じ轍を自分が踏まぬよう自戒です。