始まりはコニャック版のオールド・ファッションドともいえるカクテル「サゼラック」。このカクテル名には同名の洋酒が二つ絡んでいます。
ひとつは1850年、セウェル・テイラーという米ニューオーリンズのバーテンダーが、このカクテルの主材料にフランスの「サゼラック・ドゥ・フォルジュ」というコニャックを取り寄せたこと。
1870年代、フィロキセラ禍でコニャックが壊滅状態になり、セウェル・テイラー時代からのBARを受け継ぐトーマス・ハンディという人が、ベースをストレート・ライに代替。
もうひとつが、そのライウイスキー「サゼラック」。ニューオーリンズに本社を置くサゼラック社は、同社が販売するライウイスキー「サゼラック」の使用をカクテルの公式レシピにしているそうです。
ザ・サゼラック(Sazerac)
材料
- ストレート・ライウイスキー:45~90ml
- シュガーシロップ(ガムシロップ):5~22.5ml
- ペイショーズビターズ、アブサン、レモンツイスト(レモンの外皮、ゼスト):適量
作り方
- 冷やしたミキシンググラス(またはロックグラス)にライ、シロップ、ビターズ、氷(分量外)を入れ、ステアする(A)。
- 別のグラスを用意してアブサンでリンス(濡らす)。
- Aを注ぎ、レモンツイストで香りづけして飾る。
飲みどころ
バーボンウイスキー(またはライウイスキー)が基酒の「マンハッタン」よりも甘みは柔めで、ハーブっぽさが加わっているのが特徴。
アブサンファンが好むカクテル……って、アブサン好きは生のまま飲むよね。
ビターズも混じっているから、これが蠱惑的で得も言われぬディープさを醸し出します。
ちなみにアイキャッチ画像は純然たるサゼラックではなく、「和・サゼラック」というオリジナル版。
サントリーVSOPと抹茶シロップ、「クスシキ」という鹿児島産アブサン(佐多宗二商店)、ビターズは「旨味」という日本のクラフトビターズ。
単なるアレンジではない、深みマシマシのカクテルでした。
@The Auditorium