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特選落語会 白鳥・白酒・兼好三人会(東京・江東区文化センターホール)

白鳥・白酒・兼好三人会(東京・江東区文化センターホール)

演目だけ見れば安定の古典落語の会ですが、演者がクセモノ。
結局白鳥さんの『茄子娘』が異様な際立ちを見せた落語会でした。

孝行糖 三遊亭げんき
のめる 三遊亭兼好
茄子娘 三遊亭白鳥
仲入り
百川 桃月庵白酒

2024年11月23日14時開演 江東区文化センターホール

古典落語の『茄子娘』はSF的でもあり、『宮戸川』的な艶やかさもある不思議な噺。
これまで林家正雀さんや柳家三三さんで聴いたことがありますが、さほど笑いの要素がないせいか、あまり印象に残らないんですよね。

しかし白鳥さんが演じるとなると、タダで終わるはずがない。
白鳥さんは『茗荷宿アフター』など古典落語の「オチのその後」を創作(捜索?)する噺でもならしますが、この『茄子娘』も魔改造の極致。
「オチに納得がいかない」と本編をさらった後、「ここで(高座を)降りるわけないだろーっ!」と手ぬぐいを床に投げつけ、奇想天外な世界へ。

住職と、住職が手塩にかけて育てた茄子の妖精の間に生まれた茄子娘のその後を描くもの。
古典の『元犬』のシロも登場させるくだりは悪ノリが過ぎますが、聴いていると友達同士の友情を描く噺に昇華させているのです。
子どもにありがちな嫌いな食べものを克服させるプロセスをスペクタクルに描く週刊少年ジャンプ感に、どこに着地するのかとハラハラドキドキが止まらない。
気が付けば白鳥ワールドにどっぷり、終わってぐったりな高座でした。
なんと続きがあるそうで、『落語の仮面』のようなシリーズになるのでしょうか。聴きたいような聴きたくないような……こわいなぁ。

兼好さんはまくらも振るっていて、たっぷりの『のめる』。相手を嵌めようとして自分が嵌められる過程が、嫌な感じでないのがこの人の朗らかさ。
まくらで酉の市の熊手について触れつつ、相変わらず悪口ばかりの白酒さんは『百川』を。何回も聴いているので正直「またか」でしたが、なんだかわかってきました。
定例の会ではないホール落語会や、不特定多数の客が集う寄席トリでは得意で間違いのない演目をかけるのでしょう。

力の入れどころとそうでないところ、白酒びいきの身としてようやくわかってきましたw

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hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性