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【戯曲】シェイクスピア『オセロー』:居心地の悪さの正体

【戯曲】シェイクスピア『オセロー』

シェイクスピアの4大悲劇のなかで最も、読後最もいたたまれなくなるのが『オセロー』(1602、ウィリアム・シェイクスピア、新潮文庫、Othello)です。
亡父を殺害した叔父を復讐する王子ハムレット、リア王は長女と次女に裏切られ、マクベスは妻に翻弄されて主君を殺して王位に就くも錯乱して果てる。

オセローは本来勇敢で勇名を馳せる将軍が、自分を出世させないことを逆恨みする腹心イアーゴーの奸計にかかってしまう物語。
イアーゴーに美しき妻デズデモーナの密通を吹き込まれたオセローは、妻の無実を信じるどころか、嫉妬に狂って絞殺してしまう。
真実すべてを知ったオセローは自殺する。

立派な王や武人たちがある意味、ある意味で主体的に行動して自滅する他の4大悲劇に対し、このオセローは終始受け身で、蒙昧といえるほど。
家来を信じて疑わず、言われたことを鵜呑みにして、聞いたことだけで状況判断する。
妻が裏切ったと断じ、弁解も聞かず、挙げ句の果てに殺してしまうのだからどうしようもない。

成されるがまま、成す術のないオセローは、ゆえに読んでいて嫌気が差してしまう。
受け身であってはいけない、行動こそすべてという普段の自分のマインドが刺されるような感覚。
物語が戦争や権力争いなどの血なまぐささよりも、夫と妻の愛情にフォーカスしているから余計不快に感じるのかも。

しばしば長所としても挙げられる自分自身の心根の優しさや調和性に向き合わざるを得なくなる。
読後の居心地の悪さは、内面に最もいやらしく迫ってくる物語だからでしょう。

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