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【快作】劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK』:演劇愛と偉大なるマンネリズム

劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK』

祝祭にふさわしい作品であり、単なる記念興行ではない熱すぎる重厚長大劇にやられましたよ。
2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK』は、江戸を舞台に歌舞伎の名作を上演するために芝居づくりに狂奔する演劇人を描く大作です。
ネタバレなしで超簡単に。

随所に盛り込まれたセルフパロディは記念公演ならでは。ですが、それだけではない数々の演劇作品へのオマージュが雨嵐のよう。
本作の劇中劇に、演劇ファンなら『ロミオとジュリエット』をはじめ戯曲の名場面をすぐ連想するはず。
公演後すぐにメモっていたんだけど誤って消してしまったのが残念。

ここで気づいた。新感線って感想でもなんでも後で振り返ろうとするなら、すぐにメモっておかないと忘れてしまう。
舞台世界に没入するのだけど、上気して劇場から出た後さほど余韻が長くない。
でもこれが新感線スタイルなんじゃないかな。

向井理さんが演じる戯作者の台詞には座付き作家・中島かずきさんの矜持が見て取れたし、いのうえひでのりさんの歌舞伎へのこだわりが今回も炸裂しています。
役者では早乙女太一さんは新感線モードなのか殺陣が抑え気味? 
いっぽうで個人的にMVPを差し上げたいのは小池栄子さん。本当に少女に見えてしまうマジックと舞台狭しと走り回る動きのよさ。何より舞台で光っていたなぁ。

大阪フェスティバルホールを経由して新橋演舞場での公演が控えている本作、客席降りの場面は新橋演舞場での花道を見立てての演出か。出入りが激しくてお客さん大喜び。
こういう胸がスッとする作品はお客さんが本能レベルで求めているのでしょう。

新感線はある意味マンネリズムですが、同じような作風を長く続けるって、実はすごいことと思いません?
観客が喜んで付いてくるんですからいいのです。
今回の祝祭でそのことに気づかされました。

2025年9月20日17時30分開演 まつもと市民芸術館

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hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性