手垢の付いた表現を晒せば、男女の仲とは線香花火みたいなもの。
チリチリと煌めきしばしの持続後に消灯する。火種が落ちてからは途絶えるのみ。続いたとしても惰性で転がりゆくのみ。
第149回直木賞受賞作『ホテルローヤル』(桜木紫乃、集英社文庫、2013年初版)は、釧路湿原を見下ろす高台に建つ部屋数6のラブホテル舞台にした7つの連作短編集です。
ホテル経営者とその両親、パート従業員、出入りの業者、そして客たちの織りなす物語はウェットでもありドライでもあり、それでいてどこか虚無的でもある。
- アスリートの夢破れた彼氏から投稿ヌード写真のモデルにさせられる女
- 貧乏寺を維持するために檀家の男たちに体を提供する住職夫人
- 廃業する『ローヤル』経営者の女とホテルにアダルトグッズを供する業者との交接(未遂)
- 浮いたお布施5,000円を夫とのホテル休憩で憂さ晴らしするカツカツの主婦
- 両親が出ていってしまった女子高生とサレ夫の教師
- 親孝行のはずだった息子が犯罪者と知らされた清掃係の母親
そしてラスト、経営者両親のなれそめの物語。
登場する男女は退廃的で皆、くたびれています。
生活にくたびれ果てた男女が燐光を求めて放つ、一瞬の行為はエロチックで切ない。
『ローヤル』を取り巻く人物が愛おしいのはリア充が出てこないことかもしれない。
表面的には普通に暮らしているけど、どこか鬱屈を抱えている。意識下でピンと張った線はいつ切れるとも限らない。
弾け飛びそうな自我と普通を装う理性との狭間、そのバランスを保つこと、無理やり保たせている危うさ。
思考の浅薄なリア充にはわかるまい、これこそ人間の営為なのです。
ところで。個人的に今年は読書傾向が純文寄りになっており、久しぶりに大衆文学を開いてみたら、まぁスイスイ読める読める。
フィクション・ノンフィクション、文学の傾向問わず、ジャンル横断的に読むのが愉しいと感じる読書の秋です。
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