篠井英介さんのヒロイン=女方ブランチで観劇するはずが、チケットを途中の駅で落としてしまい、すごすごと帰ってきたのがワタシです。
観たかったなぁ、残念。
米ニューオーリンズに実際に走っていた電車の名前を冠した戯曲『欲望という名の電車』(1947、テネシー・ウィリアムズ/小田島雄志訳、新潮文庫、A STREETCAR NAMED DESIRE)は、さながら「演劇版アメリカン・ニューシネマ」といった趣の、退廃的な作品です。
『欲望という名の電車』あらすじ
南部の名家の娘から財産を使い果たし、身ひとつで妹ステラの住む下町フレンチクォーターにやってきたブランチ。頼みの綱のステラは二間のアパート暮らしで、その夫スタンリーは貧しい工員だった。
情緒不安定なうえプライドが高いブランチと粗暴なスタンリーはソリが合わず、衝突を繰り返してはステラがなだめるの繰り返し。ブランチが少年を誘惑した過去を知ったスタンリーは、ブランチと思い合っていた友人ミッチにその事実を暴露。
ミッチに罵られ、スタンリーにも襲われたブランチは精神を崩壊させる。
救いのなさの裏面には
読了し、梗概を書いただけで鬱々とするし、なんとも救いがない作品です。
巻末の解説で、訳者の小田島さんはブランチとスタンリーは引き裂かれた世界でもあるようだ、と書いています。
すなわちブランチは南部の没落地主=滅びていく文明であるのに対し、スタンリーは新時代を担う労働者階級の生命力である、と。
その狭間にいるステラも仲介役とはなり得ない。
昔のよき時代の夢よもう一度と現実逃避して意固地なブランチと、旧態依然を乱暴に排除しようとするスタンリー。
イデオロギーなき混沌とした今の世界&日本の情勢の中で本作を俯瞰すると、また別の味わい深さをもって迫ってくるようです。
初演の1947年はジェシカ・タンディ、1951年の映画化ではヴィヴィアン・リーがそれぞれブランチを、その両方でマーロン・ブランドがスタンリーを演じています。
日本では文学座初演での杉村春子さん以降、岸田今日子さん、大竹しのぶさんなど錚々たる俳優がブランチに扮しています。
近代演劇不朽の名作との誉にも納得です。
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