新宿3丁目、BEAMSの向かい。目立たない佇まいながら、周辺の店とは明らかに雰囲気を異にする名曲喫茶「らんぶる」。自動ドアを入ると喫煙可の1階席は非常に小さなスペース(20席)ですが、左階段を下りていくと、ダンスホールのような開放的な空間が現れます。
「らんぶる」は1950年創業。当時の雰囲気を今に伝えるかのような社交場でもあり、広々とした応接間のようでもあり。昭和ロマンが感じられるレトロな喫茶店です。地下の禁煙席は200席もありますが、休日の昼間などは席待ちの行列ができることも。
ぼくは新宿で飲む前、買い物途中や映画鑑賞終わりの休憩などで、ここに立ち寄ります。この開放的で落ち着く空間が魅力なんですね。モケットの椅子は座り心地がよく、店の雰囲気と相まって長居に拍車がかかります。
この日はホットミルクを傍らに、2018年のモレスキンに目標と成すべきことを記しつつ過ごしました。ホットミルクが優しく美味しくて、おかわりを頼んじゃいました。お客さんが大勢いても、その喧噪すら取り込んでしまうような落ち着いたインテリアと座席。お友達でもカップルでも、もちろん一人思索をめぐらすにもOK。老いも若きも誰もが似合う喫茶店です。
余談ながら、写真家・梅佳代さんが「新明解国語辞典」とコラボした写真集『うめ版 新明解国語辞典×梅佳代』(三省堂)の中に、明らかにこの「らんぶる」で撮った写真が掲載されています。辞書にある語句とその語彙を紹介しながら、その隣に梅佳代さん撮影の写真が載っています。語彙に合わせた写真のチョイスが絶妙で、もう感嘆したり大笑いしたりしてしまうのですが、この「らんぶる」がどういう語句で使われているか……。よかったら手に取って見てみてください。