久々のまる一日の休日は「一陽来復」の御守を受けに早稲田・穴八幡宮へ。その足で近くの「漱石山房記念館」に足を運んでみました。文豪・夏目漱石の生誕150年に当たる、昨年2017年9月にオープンした記念館です。漱石ファンならずとも楽しめる展示が随所に見られました。
漱石山房とは文豪・夏目漱石が晩年の9年間を過ごした居宅のこと。その漱石山房があった敷地に、新宿区が漱石初となる本格的な記念施設を整備したものです。1階の入口付近には書籍や喫茶コーナー、無料展示コーナーがあります。こちらだけでもまったりできますが、せっかく来たのですから観覧料300円(小中学生は100円)を払って、有料の展示コーナーを見てみましょう。
漱石の直筆原稿や書簡、書画。装丁が見事な初版本。人物や交友録などがわかる壁掛け展示等、しばし時間を忘れて見入ってしまう展示の数々。老若男女問わず親しめるよう、それぞれの展示がわかりやすいグラフィックに配慮しているのがうかがえます。
が、ぼくが一番気に入ったのは、この敷地の一部にあったという「漱石山房」の書斎を再現した展示です。館内撮影がほとんど禁止のため、残念ながら写真はありませんが、一度ぜひ見に行ってください。畳の上にペルシャ絨毯を敷き、その上に配置した座布団と文机。そばに置かれた火鉢と鉄瓶、後ろに並べられた(無造作に積まれた)書物の数々。こういうインテリアが長年のあこがれだったりします。漱石、重厚にしてセンスが良い人だったとお見受けします。
漱石といわばかつての千円札や、右手に顔を傾けた肖像画しか見たことがなかったのですが。まさに漱石山房の書斎で撮影されたらしき、漱石の近影を初めて目にし、写真とはいえちょっと感動しました。英国留学時代によく知られている「神経を病んだ」的な人というよりも、いかにも大物な、迫力ある人物像でした。
最寄駅は東西線早稲田駅。ここが一番近いですが、徒歩10分くらい見ておいたほうがいいです。月曜と年末年始以外は通常10時~18時までオープンしているそう。高田馬場、早稲田、神楽坂界隈お散歩の際は、選択肢に入れてみてはいかがでしょう。