東京メトロ千代田線の湯島駅から徒歩3分。台東区池之端にある旧岩崎邸庭園を訪ねました。数年ぶりに来てみたのですが、「洋館外壁等修復工事」(2019年12月中旬完成予定)の最中で、外側も内側(2階ベランダなど)も至るところに覆いが掛けられ、隅から隅まで眺めるというわけには行かず。ですが、財閥の威光を随所に感じさせるお屋敷の雰囲気はいつ行っても感じられますね。
旧岩崎邸庭園は三菱の創業者・岩崎彌太郎の長男、久彌の本邸として1896年(明治29年)に建てられた邸宅で、国の重要文化財に指定されています。設計はジョサイア・コンドル。メインの洋館のほか、撞球室(ビリヤード室)、和館大広間の3棟が現存します。
残念ながら、内部は建物の壁や装飾、手すりなどに触れるのはもちろん、撮影も一切禁止(前より規制が厳しくなったような……)。ここにUPしている写真はすべて、外から撮影したものです。
洋館は英ジャコビアン様式やルネサンス様式の装飾、イスラム風のモチーフが採用され、金唐革紙という珍しい壁紙が2階の客間を彩ります。洋館とつながっている和館は書院造。庭は見渡すかぎり芝生でありながら庭石や石碑も。
明治期の洋風建築は、それ=輸入文化一辺倒になるのではなく、和の文化との調和が図られているんですよね。その和洋折衷が素晴らしいし、日本の洋風建築ならではといえます。ちなみに庭園も現在拡張工事中で、ますます広々としたお庭を歩けるのもそう遠くない先のことと思います。
それにしても、昔の財閥っていうのは、スケールがケタ違いですね。ま、こんな広い家に住めたとしても掃除が大変そうだからいいや、と負け惜しみを言うよりほかありません。あ、掃除なんて、そもそも家主自らやるわけないか……。