ジョージ・オーウェル『一九八四年』読書会に参加しました。

「池袋読書会」アナザーサイドB、でしょうか。もんざさん(屈指のストリートワイズと僕は思っている)主宰による「第8回 純文学読書会」に参加しました。

課題本はズバリ『一九八四年』(ジョージ・オーウェル著、ハヤカワeqi文庫)。昨年スコットランド旅行の機内で読んだ思い出の本です。

『一九八四年』は全体主義に支配された世界を描いた近未来小説で、社会学に触れる人は必読の書といわれています。

参加者は計8人。ネタバレありで、読破中の方には申し訳なかったのですが。僕としてはバッドエンドだからこそ、人間の人間たる営み=恋愛や友情、内省がいかに大事かを思い知らされると述べました。

執筆当時、オーウェルはすでにロンドンの売れっ子コラムニストだったようです。そのオーウェルが、執筆に専念できる環境を探し求めた末、たどり着いたのがスコットランド・ジュラ島の北端、周りに人家もなく、電話も通じない僻地にある「バーンヒルコテージ」でした。そこに籠って3年かけて完成させたオーウェルの内面は、想像するしかないのですが。まるで未来を予見していたかのような世界の創出に戦慄します。

僕の読後感など浅薄極まりないですが。参加された7人の方すべての考察が深く、素晴らしい示唆を得られました。たとえば、ほんの一部ですが、

小説のビッグブラザーは今でいうAIの化身ではないか
現在のスマートホームハブについての考察
フェイクニュースの見分け方
監視社会について
本作から影響を受けたであろう作品群

などなど。多岐にわたる深読みをシェアくださり、再読は嫌だなと思っていた心境も変化しました。やはりディテールを確かめて理解を深めたい。

それにしても。自分の身の周りでこの本が俎上に乗ることだけでも考えさせられます。井上芳雄さん主演で舞台化されたり、津村記久子さんが新潮社のPR誌『波』の書評で取り上げたり(2018年2月号)、そして今回の読書会のテーマ本になったり。怖いくらい目につきます。

『一九八四年』が再び脚光を浴びているのは、どこか世界の潮流が異変をきたしていると肌で感じている人が多いからではないでしょうか。