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ジャパニーズウイスキーの相次ぐ休売・終売に思う。

響17年 赤坂kokage

サントリーのシングルモルト「白州12年」、同社ブレンデッドの「響17年」の販売休止が報じられました。何人かのバーテンダーから聞かされていたことですが、こうしてメディアで伝えられると改めてがっかりしてしまいます。

名目上は「休売」。とはいえ販売再開の見通しが立っていないところを見ると、事実上の「終売」でしょう(廃刊と言わず休刊という雑誌みたいだね)。空前のウイスキーブームと言われて久しいですが、この過熱ぶりには複雑な気持ちになります。

過熱ゆえに飲まれ、原酒が足りなくなり、相場が高騰し、転売ヤーが出てきて、拍車がかかる。

この活況は酒販業界には良いようにも見えますが、長い目で考えた場合、メリットよりもむしろデメリットのほうが多いように思います。仮説のひとつとして二極化の懸念です。

飲まれるあまり、高価なもの&安価なものの価格差が乖離し(中間がなくなる)、高価なものはますます手が出にくくなり、安価なものは極端に品質が劣化する。

美味しいウイスキーを、相応の価格で楽しめなくなる。プレミアという名に踊らされ(飲み手がきちんと評価せず)、ひたすら懐を痛め続ける。こんな悪いシナリオが「ない」と断言できないのが悲しいです。

ジャパニーズウイスキーのブランド。先日、その薄氷を踏むような実状を東洋経済オンラインが報じていました。

悲しむべきはジャパニーズウイスキーが軽視されることであり、その価格正当性に疑念が持たれることであり、まっとうなジャパニーズウイスキーにありつけなくなること。

以前、僕が内心で先生と呼んでいる、あるバーマンが「蒸留所の事情は考慮すべきだが、評価に加味すべきではない」と仰っていて、本当にそうだよなと同意したものです。

「頑張ってこういう結果でした。努力したのだから高く売ります」と売り手が言うのは勝手だけど、果たしてその頑張りは品質に表れているのか。エラそうに言う気は全然ありませんが、そこは雑音なしでニュートラルに飲ませていただきます。

写真は開高健さん縁のBAR「Kokage」でいただいた「響17年」。味や香りがどうのというより、もう郷愁しか感じられない1杯でした。

赤坂見附「kokage」で響17年

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性