東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中の「巨匠たちのクレパス画展 -日本近代から現代まで-」(~2018年9月9日)を見に行ってきました。著名な日本画家たちが「クレパスで」描いた作品150点が展示されています。
「クレパス」(=オイルパステル)とはクレヨンの定着性と、パステルの伸びやすさ&混ぜやすさの両方の特長を生かした描画材で、株式会社サクラクレパスの登録商標だと初めて知りました。実際、展示されているクレパス画は油彩と言われれば信じてしまうであろう濃密な色づきの作品、写実的な作品もかなりありました。
クレパス画ですので、見たところ100cmを超えるような大作はなく、かといって浮世絵のような細密さもない。ちょうど顔の位置で作品と向かい合わせに対面できるサイズ感も好感。それに童心に帰るような画材ゆえ、でしょうか。熊谷守一から猪熊弦一郎、舟越桂、鴻池朋子、天明屋尚まで、どこかトーンがやわらかいんですよね。岡本太郎だけは一目でそれと分かる厳めしさがありましたが。
展示室の中盤には、サクラクレパスの限定ボックスも飾られていたり、アーティストが自作とクレパスについての関係を語るコメントが添えられた作品もあったりで、アーティストの意外な側面を垣間見ることができて楽しかったです。
1階の美術館入口ロビーでは、クレパス画体験コーナー(参加無料)もあって、サクラクレパスを使って塗り絵を楽しめる趣向も。下絵も3種類用意されていますし、描いた自作はビニールに入れて持ち帰らせてくれます。せっかくなので15分くらい楽しんできました。
夏休みのイベントとして親子はもちろん、一人でもOK。見るだけでもなく体験もできる、珍しい絵画展でした。新宿西口に足を運ぶ機会があれば、ぜひどうぞ。