有松は染織町というだけでなく、桶狭間に近いことでも知られているそう(現地に行くまで知らなかった)。どうやら「桶狭間古戦場公園」というスポットがあると知り、時間もあったので、どんな場所かも調べずに突発的に歩いて行ってみることにしました。
桶狭間の戦いとは、1560年(永禄3年)、織田信長が今川義元を破ったいくさ。まだ無名だった信長が一躍戦国大名として名を轟かせるきっかけになった戦いであり、今川2万5千の大軍をわずか2,000の兵力で破ったとか、雷雨の間隙をぬっての奇襲であるとか、エピソードに事欠きません。教科書に太字で載るだけでもすごいですが、ドラマティックな天下分け目の戦いであったんでしょうね。
で、有松の絞会館から歩くこと約2.5km、時間にして約1時間強。やってきたところは、むむむ、何もない。ガランとした公園でした。
正直もう少し資料館的な箱物も期待していたのですが、ほんとうに公園だけです。これだけ歩いたのに、と拍子抜けしました。
が、公園内に足を踏み入れてみると……。なんと公園自体が、城や砦の位置を再現したジオラマ式に設計されているのだそう。アプリを落として、ARマーカーから合戦のシミュレーション動画も視聴できるんです。なかなか凝ってますね。
僕は巡りませんでしたが、桶狭間古戦場保存会さんが「信長公記」をもとにした史跡マップを用意していて、ゆかりの地を順に歩くこともできます。
公園内は義元の墓碑もあり、毎年戦死者の慰霊祭が行われているそう。触れると高熱にうねされるという言い伝えがある「馬つなぎの杜松(ねず)の木」(ジュニパーベリー!)や、討ち死にした義元の首級を洗い清めたという「首洗いの泉」などもありました。1986年の区画整理までは湧水が豊富だったそうですね。
行ってみたら行ってみたで、束の間歴史の勉強を楽しむことができました。桶狭間の戦いを記した小説など、読みたくなりましたよ。