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2017年3月11日。45回目の誕生日に思うこと。

今日はぼくの誕生日です。年もトシだし、こんなことを書くのは最初で最後かもね。それまでは早生まれは嫌だなぁというくらいの認識でしたけど、2011年を境にそうでなくなってしまった。揺れるアラフォーなんて、しゃれにもならない。

あのとき。赤坂のTBSに資料を取りに行き、遅い昼食をとった帰り道。溜池山王駅から千代田線で会社に戻ろうと、外堀通りの溜池交差点で信号待ちしていました。あれ、道路工事の振動?立ちくらみ? ふと、横断歩道向こうを見ると、国際赤坂ビルの噴水池の水がもんどりうって道路に溢れている。そこで初めて、何が起きたのか理解しました。

はるか高く見上げると、NTTドコモ本社の入る山王パークタワーの上階が、ぐわんぐわん左右にしなっている。ああ、ポキッと折れて落下した鉄の塊につぶされて死ぬんだ。首相官邸の裏にいた警官たちは、困惑して立ち尽くしている。数分後、建物にいた人、地下にいた人が一斉に出てきて路上が満杯になるんだけど、ぼくは起きたことが信じられなくて、溜池山王駅の地下に。スマホで会社に電話して無事を告げ、誕生日おめでとうのメールをくれていた母に電話。両方、混乱もなくつながったのが不思議なくらい。指が震えてプッシュできなかったのを、今でもよく覚えています。とにかく怖かった。

もちろん地下鉄は動くことなく、歩いて会社に戻ることに。官邸脇から国会図書館を横目に、皇居お堀端へ。普段は空いているところだけど、この日の歩道は行き交う人がぶつからんばかりのラッシュ状態。数珠つなぎの大混雑で、タクシーをつかまえようと車道に身を乗り出す人、ケータイをかけ続ける人、立ち止まって場所を確認する人とさまざま。社名の入った黄色いヘルメットをかぶって、急ぎ足で歩く外国人ビジネスマンの姿も。

赤坂から神田の職場まで、結局2時間くらいかかったかな。まさに今と同じ、4月号の下版ピーク。1年でいちばん忙しい時期。どうにか仕事を切り上げ、当時住んでいた根津に徒歩で帰りました。建物はなんともなかったけど、部屋に入ると本棚は倒れ、服は散乱。さすがに滅入りました。

ジャックダニエル

ぼくは地震なんて屁でもないと、多少の揺れにもおののく人をばかにしていました。その日までは。今は真逆です。死の恐怖を初めて体感し、それが想像を超えたんだから。こんなことで怖いなんて、東北の人が聞いたら笑止だろうけど。

NHKの『あの日わたしは』という記録番組で、あらゆるものをさらっていく津波に「魂を抜かれるようだった」と述懐していた住民の方がいました。こういう表現が作家でもない人から出てきてしまう。

『君の名は。』『モテキ』などを手掛けた映画プロデューサー、川村元気さんが自らの誕生日3月12日をネタにしたコラムを日経で書かれていますが、ぼくなんか当日だもん。重みが違うよ。

不完全というか、どちらかといえばダメな人間だけど、あれからこの日を迎えるたび、自分なりにちゃんと生きようと思うのさ。

PABLOのタルト

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hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性