噺家の柳家喬太郎さんが、寄席のまくらで「マスクしてる人、多いですよね。むかしはマスクしてるって言えば、風邪ひいてる人か、“赤軍派”だけだったんですけどねぇ」と言ったことがあり、大笑いした覚えがあります。
風邪でやむなく人と接するときは、マスクをするのがエチケットとして定着しましたよね。でも、最近はインフルエンザが流行ろうが、真夏だろうが、まったく関係なし。都内の往来ではすれ違う人のうち、3割くらいがマスクをしているんじゃないかと思います。
風邪をひいてしまったとき、もしくは絶対に風邪をひけないとき(いつもか)に予防のため、仕方なくマスクをしますけど。あの耳を引っ掛けるヒモのせいで、半日も経つころには耳が疲れてしまうので、あんまりしたくはありません。しゃべると息がくぐもるし、ついついマスクを下ろして会話してしまう(本格的に風邪っぴきのときは、そうしないよう気をつけてますが)。
で、人様もそうかと思いきや、どうやらそうでもないらしい。
顔の半分を隠すことで、自信のなさやコンプレックスを隠せる。口もとを白く覆うことで、弱点も覆ってしまう。そんな話を聞きました。そういえば周りを見渡しても、マスクしている人の何割かは、毎日当然のようにしています。クセになっちゃうんでしょうな。
スキー場ではウェアやゴーグルのおかげで、男女とも何倍かかっこよく(かわいく)見えるなんて話もありますよね。んー、コスプレ効果、案外ばかにできませんね。
あとはマスクで顔を覆うことで他人に表情を読まれにくくする=余計な気遣いをしなくてすむ。自分のラクさと他人への配慮、その両方もあるんじゃないかなぁ。
ただ、できればふだんのコミュニケーションでは、相手の顔はちゃんと見たいなって思います。また、きれいな人ほど、案外マスクをしている気もするのですが、それこそ気のせい?
来日したての観光客は、最初はなんだか異様な光景だと思うかもしれません。外人さんも日本人の気分を味わいたきゃ、まずマスクをしてみるといいかもね。