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「琥珀」で驚きのカクテルと、驚きのグレンファークラス105。

湯島「琥珀」グレンファークラス105

三島由紀夫がジム帰りに通ったことでも知られる湯島のBAR「琥珀」。湯島は超有名な老舗BARが複数ありますが、琥珀だけ訪問できていませんでした。先日ようやく初訪問し、ヘヴィな3杯を楽しんできました。

マティーニ、マンハッタンときて、ラストはグレンファークラスで着地。どれも喋りたくなってしまうので、書きとめておこう。

マティーニはジンの希望を聞いてくださったので、「エギュベル」をお願いしたのですが。切らしていたようで、おまかせでお願いしました。するとバーテンダーの木村文比古さんが作ってくれたのは、おなじみ「ゴードン」とドイツのクラフトジン「モンキー47」のブレンド。

香りこそ華やかで甘いのですが、口にすると非常にドライ。意外性とズシンとくる初っ端にいやでも上機嫌になってしまいます。

湯島「琥珀」マティーニ

2杯目はマンハッタン。これがまたびっくり。バッファロートレース社「サゼラック・ライ」をベースに、バーボンの「ノブクリーク シングルバレルリザーブ」が足されます。ノブクリークのプルーフ表示が写真から見えますか。120PROOF=アルコール度数60%です。

カスクストレングスのようなもので珍しくはないですが、マンハッタンに使うあたりがニクい。飲み口ですか? もはやマンハッタンじゃないよなというくらい、どっしりとしていました。締めにふさわしいですが、飲んだ後の2軒目でいただく場合は要注意です。

湯島「琥珀」マンハッタン

ちなみに、以上の2杯は木村さんの固定カクテルレシピではありません。客によってレシピを変えるそうで、その自在さがまたたまらん。

しかも木村さんは目の前で作ってくれるんです。

サーブはされるけど、ほんとうに眼前で作ってくださるバーテンダーって意外に少ないんですよね。これはもうお店のスタイルなので飲み手がどうこう言う話では当然ないのですが、だからこそ余計にうれしい。

トドメの1杯は「グレンファークラス105」を。シェリー樽熟成でおなじみ、スペイサイドのスコッチのカスクストレングス(60%)ですね。

ところが、このファークラス105は、そのままオフィシャルではありません。その昔、琥珀ではニッカからウイスキーが瓶ではなく、樽で納品(!)されていた時代があったそう。

木村さんによれば、ジャパニーズウイスキーでは何も起きなかったものの、その後ためしにグレンファークラスを詰めてみたところ、驚くほどの変化があったんだとか。

「やっぱりスコッチですよね」と木村さん。スコッチがなぜキングなのか、こういうエピソードからもほの見える気がします。

実際両方を飲み比べてみたのですが、なるほど“琥珀プライベートボトル”のほうが、カドが取れてカスク特有のトゲトゲ感が皆無。105とは思えない、柔らかい仕上がりになっています。カスクストレングスはダメという人も、これならオッケーではないでしょうか。

いやぁ素晴らしい。あっという間なのに、濃い時間でした。

湯島「琥珀」グレンファークラス105

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性