真っ昼間から、大学、それも東京大学の学内で酒を飲む。いいのかなぁと思うのですが、この日ばかりはOKか。第18回東京大学ホームカミングデイ(2019年10月19日、本郷キャンパス)で日本酒の利き酒を楽しませてもらいました。
このイベントでは、正門から安田講堂に至る銀杏並木沿いに模擬店が出ます。そのひとつとして、法文1号館前に「13蔵元による利き酒会」が出店されていました。この13蔵元は卒業生がそれぞれオーナーを務める蔵元「東大蔵元会」が集い、選りすぐりの銘柄を試飲させてくれます。
試飲は1杯100円から(100円か200円だったと思います)。参加者はテントで1,000円のバウチャー券を購入し、気になる銘柄のスタッフに声をかけ、券の購入時に渡されるプラカップに注いでもらいます。
革新的な試みで注目を集め続ける新政酒造(秋田県)の「瑠璃 2018 -Lapis Lazuli-」はすっきり爽やか。長龍酒造(奈良県)の「吉野杉の樽酒 雄町山廃純米酒」はほのかな樽香が心地いい。
なかでもいちばんインパクトがあったのは、西堀酒造(栃木県)の「愛米魅 I MY ME 金の純米酒」。これね、ひとことで言えば辛口シェリーですね。フィノとオロロソの中間くらいの印象。資料によると酒米を使わずに、古代米の赤米と緑米のみで醸したそう。日本酒でも洋酒でも、こういうチャレンジングなお酒をもっと飲みたいですね。
13蔵元の、ほんの一部の試飲でしたが、もう少しいただきたかったなー。チケットを3枚とか5枚単位とかで売ってくれると、なおありがたい。
あ、東大のホームカミングデイは現教授・名誉教授による参加自由の講演やシンポジウム(講義を受ける感覚です)が充実しています。安田講堂で行われた特別フォーラム(松尾豊教授、養老孟司名誉教授による講演)や、「専門家のためのリベラルアーツ 東大卒業生はみな教養人か?」(石井洋二郎名誉教授、藤垣裕子教授)というシンポジウムに参加し、束の間、学生時代に戻りました。
もともと東大に入れる脳みそはありませんが、このトシで何かを学ぶのはほんとに楽しい。お酒の有無に関係なく(あはは)、また来年も参加したいと思います。