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立木義浩写真展で、研ぎ澄まされた生に魅了される。

立木義浩写真展「時代」2019

写真家・立木義浩さんの展覧会「時代」の最終日に行ってきました(2019年5月23日~6月9日、上野の森美術館)。もうね、ミーハーなんで有名人を撮影した写真展なんて、それだけでワクワクします。アニー・リーボヴィッツさんも、篠山紀信さんも、被写体から生き生きとした表情を引き出しますよね。

そこへ行くと、立木さんはポートレイトでもナチュラルな表情を切り取っています。このポートレイトを撮っていたのは、ソフトスーツの流行ったバブルのあたりでしょうか。特に男性のファッションがダブッとしていて、時代を感じます。

夏目雅子、大原麗子といった故人から綾瀬はるか、満島ひかりといった活躍中の女優まで。ある人は艶めかしさ、ある人は凛とした、ある人は勝負顔(キメ顔)とさまざまです。

コーナーができていた加賀まりこさんなんて、ドーリーなんてもんじゃない。コケティッシュとか、小悪魔とかそんな言葉も彼女の前には陳腐に見えてしまいます。

なかでも、あまたいる女優さんのポートレイトの中で、挑むような視線をこちらに向ける武藤千春さんの写真がいちばん気に入りました。

男性は松田優作さんがずば抜けている。ただ者でない切れ味と、ときにユーモアな一面。その落差が表れた写真の数々。印象的だったのは映画監督。伊丹十三、黒澤明という2人が撮影現場で監督する様子を撮ったもの。

黒澤さんはなんだか楽しそうだし、伊丹さんはやたらおしゃれだし。ほんとうに集中しているときから一瞬を捕らえたその素顔。ポートレイトもいいけど、その人の自然な姿を切り取った写真のほうが、より好きですね。

自然な姿といえば、展覧会会場の2階は立木さんの主にスナップ作品が掲げられていました。北米やアフリカ、キューバなど、世界の都会から奥地まで、人や物をとらえています。

なんだろう。ヌードもあるのですが、いわゆるヌード写真でなくても、物や人からにじみ出るネイキッドというか、素の魅力。作為のないものが、こんなにも訴えてくるのかと、あまたの写真に見入りました。

立木さんの見た、感じたことが、そのまま現像されて表出し、見る者に伝わってきたのかもしれません。

立木義浩写真展@上野の森美術館

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hiroki「酒と共感の日々」

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