「d47 design travel」という、新しいカタチの日本の観光ガイドブック。

渋谷ヒカリエ8階にあるd47 design travel storeは、日本の地域が生み出す工芸品や食品、衣料品などを紹介し販売するショップです。先日ここに紅茶を買いに訪ねた際、このショップが「d47 design travel」という本が取り上げた品々を扱っているのだとわかり、そのシリーズのうちの1冊買ってみました。

ショップ自体、名産品ではなく、知る人ぞ知る的なものが集まっている。土産物ではなく、地域の人が大事にしていて、愛しているものを紹介している。銀座に集まるアンテナショップよりも、セレクトショップ的な印象を持っていたのですが、道理でなるほど。本のコンセプトを東京のリアルに表出させる試み、とてもいいですね。

「d47 design travel」は、ディアンドデパートメント株式会社が発行する、新しいタイプの観光ガイドブック。このプロジェクトが打ち出すデザインとは、ルックス、スタイルといった表層的なものだけではなく、より踏み込んで「その土地らしさ」を追求しているとのこと。

本の最初のほうにあった「編集の考え方」がまず良い。取材者が自費でまず利用し、確かめること。本音で書くこと。取材相手の原稿確認は事実関係だけに留めること……などが明確に記されています。なんでも実際に数カ月滞在して、土地の表情を見て、地元の人と触れ合っているんだとか。そのうえで地元の人が愛し、大切にしているものを見いだすという姿勢に共感します。

名産、メジャー、外せないといったスポットや宿、食事を紹介している既存のガイドブックを否定はしませんが、旅先の地の素の表情を見たい、感じたい身としては、こういうガイド誌は心強い。なんというか、時代の流れが速いからこそ、体験する側・享受する側のスローさがより大事だと思うわけです。

ぼくが衝動買いした本は「静岡」。大好きな芹沢銈介美術館を3番目に紹介していたこと、沼津のBARタクシーといった未知のそそられる情報もばっちりだったことなど、パラパラめくってみて即買いを決めました。お値段は1,900円(税抜)。読めばその充実ぶりがわかります。

発酵の展覧会といい、土地の人が愛するものを紹介する試み、支持しますし、もっと広がるといいですね。

d47 design travel

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hiroki

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紙もウェブもやる編集者 / ライター / ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート / SMWS会員 / 訪問したBAR国内外合わせて100軒超 / 会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年) / ひとり歩き / 酔っぱらわない酒活 / ブログは原則毎日更新750記事超(2019年2月現在)/ ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性