「去る者日々に疎し」って、冷徹ゆえに使えない言葉。

先日、自分が送られる立場として参加した送別会で挨拶する際、直前で使うのを止した言葉があります。「去る者日日に疎し」ということわざです。

去る者は日日に疎し(さるものはひびにうとし)
1.死んだ人は日がたつにつれてわすれられる。2.したしかったものも、はなれてしまうとしだいに親しみがうすくなる。
新選国語辞典 第七版(小学館)

本質を突いてるし、語呂もいいし、共感できる言葉です。そうそう使う機会がないので、自分が該当するときに喋ってやろうと思ったのです。けれど結局、使わなかった。

なんというか、寂しい・悲しいし、冷たいんですよね。「それを言っちゃあ、おしまいよ」なんです。旧交を温める場があってほしいと思う一方で、時間を割いて再会したい人って、そう多くない。そういう意味でも、この言葉は真を突いているんですけど、ここで使うにはネガティブだと感じました。長く仕事したことで、情が移ったことも影響しているかも。

案外世の中は狭いもの。縁があればどこかで再会できるし、今はSNSなんて便利なツールもあります。その分、本物の別れというものが失せている、実感がなくなっている一面は良し悪しですが。

「一期一会」という言葉もありますが、SNSの普及発達によって、人とのコミュニケーションでこの言葉の実感値もなくなりつつある気がします。いつでも世界中どこでも、誰とでも簡単に近づけますから。これも良し悪しですが……。

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hiroki

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編集者 / ライター / ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート / SMWS会員 / 訪問したBAR国内外合わせて100軒超 / 会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年) / ひとり歩き / 健全な酒活 / ブログは原則毎日更新750記事超(2019年2月現在)/ ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性