1824年創業のバルミニック蒸留所(バルメナック、バルメニャック)があるスペイ川下流域、クロムデイルという土地周辺は密造酒づくりが盛んだったところだそう。川を遡っていくとクラガンモア、グレンファークラス、バリンダルロッホなどの蒸留所が、さらにその先にはスコットランドを代表するいくつかの蒸留所があります。
バルミニックはオフィシャルボトルを出している形跡がありません。「カルーン」という名のジンを造っていることでも話題です。今回、信濃屋が大手ボトラーのシグナトリーから買い付けたプライベートボトルをいただきました。
シグナトリー バルミニック 29年[1988] ホグスヘッド for 信濃屋 42.4%
- 香り…やや主張あり。シェリー、シロップがけのホットケーキ。中盤にワックス、後半にカルピスの余韻を伴う。
- 味…ライトボディで果実の甘みが終始支配。ブドウ、マンゴー中心のフルーツ盛り合わせ。
- 総評…繊細で多面的。長続きする甘い芳香とフルーツの味わいで、スイーツ好きを虜にしそう。シリアルとのペアリングが面白そう。
@Highlander inn Tokyo(ハイランダー イン トウキョウ)人形町店
この日は「ピートの効いてない優しいのを」と前の1杯をお願いするときにリクエスト。その2杯目です。結果、超タイプでした。キックのあるモルトや、燻煙モクモクなモルトを好む人には、どうかなー。でもね、個人的にはそんな超トガッたモルトだけでは疲れちゃう。フルーツの盛り合わせに囲まれた朝食は、誰にも邪魔されたくないですよね。そんな感じなんです、これは。
さすがに信濃屋食品の目利きバイヤーがカスクセレクトしているだけに、繊細な味と香りが際立ちます。残念ながら信濃屋さんのネットショップではすでに品切れですが、モルト苦手な人にこそ、ぜひ飲んでもらいたいボトルでした。