JR新千歳空港駅から電車で約90分あまり(約120km)、小樽から約20kmの場所にあるニッカウヰスキー北海道工場・余市蒸溜所(北海道余市町)。蒸留所見学のおみやげといえば、もちろんウイスキーが鉄板ですね。その蒸留所限定のシングルモルト3種類をいただきました。
蒸留所限定シングルモルト余市は「ピーティ&ソルティ」「シェリー&スイート」「ウッディ&バニラ」の3種類。いずれもノンエイジ(年数表記なし)です。基本的に蒸留所のショップでしか購入できませんが、今はネットのリカーショップでも購入可能なようです。個人的にはたとえ荷物になろうとも、蒸留所で購入して持ち帰るか、蒸留所から自宅に発送しようと思いますが……。便利な世の中になりました。
蒸留所限定のウイスキーといえば、年数記載があるもの、シングルカスク、オリジナルのブレンデッドなどがありますが、現在の当地のショップはどうなんでしょう。原酒不足を背景に、あったとしても高値で販売されているのは想像に難くありません。そんな情勢の最中、このノンエイジをいただけるだけで、ホントにありがたい話です。というわけで、3種類のテイスティング。
ニッカ シングルモルト余市 ピーティ&ソルティ 55%
- 香り…主張あり。意外に甘い。岩海苔、海苔の佃煮、牡蠣のガンガン焼き、焦げたアルミホイル。後半に岩塩のキャラメル。
- 味…ミディアムボディ。しょっぱい! 塩辛、昆布、一味唐辛子。後半に塩バニラ、フィニッシュは白だし。
ニッカ シングルモルト余市 ウッディ&バニラ 55%
- 香り…控えめな甘さ。ほのかにオークと燻煙。ダッチベイビー、やや白粉っぼさも。
- 味…甘さとチクッとする辛み一刺し。ライトボディ。ハチミツ。後口はジンジャーブレッドとレモン水でドライに引いていく。
ニッカ シングルモルト余市 シェリー&スイート 55%
- 香り…主張あり。シェリー酒、古樽、レーズンサンド、プルーン、かなり時間のたった梅干し。
- 味…リッチ。終始ナッティでややえぐみ。樽由来と思しきタンニン、シェリー酒、モンドールチーズ。
@カドヤ黒門町スタンド
順番は上に記載の「ピーティ&ソルティ」「ウッディ&バニラ」「シェリー&スイート」の順でいただきました。個人的には「ウッディ&バニラ」がいちばん好みだろうと飲んでみたのですが、その先入観を覆し、「ピーティ&ソルティ」が特に素晴らしかったです。
「ウッディ&バニラ」はもう少しボディがあってもいいのかなぁとの一方で、「シェリー&スイート」は渋さ全開でたまには変化球もアリかなという感覚です。こういう実験的というかバリエーションは悪くないですが……。結局、本来の余市のイメージに近かった「ピーティ&ソルティ」に軍配を上げました。
三者三様の個性が明確で、飲み手個人の好みが相当わかりやすい形で分かれそうな蒸溜所限定のシングルモルト余市。ぜひ蒸溜所にも足を運びたいと思います。Rさん、ありがとうございます。美味しくいただきました。