神戸、京都、大阪と巡った今回の旅の目的は2つ。宝塚花組公演と弘法市です。残念ながらヅカは公演中止になっちまいましたが、京都の手づくり市は予定通り開催。ありがたい話です。
京都の代表的な手づくり市といえば、
- 毎月21日開催の東寺 弘法市(弘法さん)
- 毎月25日開催の北野天満宮 天神市(天神さん)
- 毎月15日開催の知恩寺の手づくり市(百万遍さん)
の3つがあります。例のコロナウイルス騒動で、今回は開催を懸念していたのですが、サイトを見てみると冒頭にこんな告知が。
東寺・弘法市は、過去から受け継がれた京の人々の生活習慣であり、当委員会が一存で中止できるものではありません。
3月21日の東寺弘法市は開催いたします。
どうです、素晴らしいと思いませんか? ぼくはシビれましたね。連綿と続くとは、こういうことなんだなぁ。
この弘法市はその名の通り、空海=弘法大師の命日(3月21日)にちなんで、毎月21日に東寺で開催される縁日です。東寺の敷地内をめいっぱい使って(有料拝観エリアを除く)、あらゆる店舗が軒を連ねます。
「あらゆる店舗」とは、骨董店をはじめ、着物生地、古着、小物、鉄道忘れ物、盆栽、古本、古レコード、アクセサリー、飲食屋台、青果、花き、漬物などなど。売ってないものはないのでは?ってくらいの市場なのです。
数年前に初めて弘法市を訪れたときには、カイロプラクティックの整体院がテントを出していて、「青空マッサージか」と仰天しました(あのとき以来見かけず、体験しなかったのを後悔してます)。
土日祝でタイミングが合った際にしか参加できませんが、参加できたからといって特に目的もなくブラブラしてます。オソロシイことに「何も買わない」と誓いを立てても、あっさり破られるのが京都の手づくり市。
今回もそうで、懐かしさに駆られてニッカのロゴが入ったグラスと、明治製菓のかつてのカップアイス=水玉模様のグラスを購入してしまいました。
買う際にお店のご主人との交わすお喋りがまた楽しい。買った店舗のご主人が、既製品のグラスと吹きガラスのものを並べて見せてくれました。上から器の底を覗くと、手ふきによる斑点や独特の質感が一目で分かります。ぼくが買ったグラスは1000円で、手ふきのグラスは5000円(!) いやはや。
私「こりゃ貴重品だ。普段使いは躊躇っちゃうなー」
ご主人「使う人は使ってるよ。あっけなく割っちゃう人もいるんだけどね」
私「えぇーっ、もったない!」
ご主人「でもそしたら嬉しいわ。また買うてくれるから」
あっはっは。しゃれてるし、切符がいいですね。アンティークの普段使い。こうありたいものですが、貧乏性はそう簡単には直せず、結局食器戸棚の肥やしになりそうな予感です。