「女子」と付けりゃ、いいってもんじゃない。

最近「美術館女子」というタグが炎上したらしく、ネットニュースか何かで目にしました。
これって、今に始まったことでなく、ここ数年「◯◯女子」というフレーズはメディアが好んで使用しているのです。

hirokiです、こんにちは。

「◯◯女子」、ザッと思いつくだけでも

  • 歴女(れきじょ):歴史に興味ある女子のこと
  • 刀剣女子:『刀剣乱舞』というシミュレーションゲームが火付け役となり、日本刀を博物館や美術館に見に行ったり、研究したりする女子のこと
  • 鉄子(てつこ):鉄道に興味がある女子のこと
  • プ女子:プロレスにハマる女子のこと。「女子プロレス」ではない
  • ニュース女子:DHCシアターが制作する番組(現在はネット配信)
  • ウイスキー女子:ウイスキーにハマる女子

などなど。

このようなタグがなぜ広まったのか。
それは男性、それもオジさんやマニア、オタクといった層に支持されそうな世界に女子がハマるからです。
その現象を指して、メディアはわかりやすくタグ付けするわけです。
メディアのみならず、女性ユーザー自ら、このようなタグ付けをしてSNSに投稿している人もいます。

では、「美術館女子」に怒っている人は、上記のようなタグ付けをなぜスルーしたのでしょう?
勝手にカテゴライズするメディアに対し、「これはジェンダー意識がなっとらん」と、とっくに声を上げないといけなかったんじゃない?
整合性が取れてないよ。

ま、推測ですが。
「美術館女子」は、アイドルを起用した啓蒙色があったから、カチンとくる人がいたんでしょうな。

運営はわざわざ「女子」なんて性別を分けて命名しなくてもよかった。
だって美術館は、誰もが気軽に足を運べる場所だし、絵画鑑賞や美術館巡りは男女関係なく趣味とする人は珍しくないからね。
その点は悪手でしたねぇ。

きっと運営は、いまだに堅苦しい、ともすれば高尚と敬遠されがちな美術鑑賞の世界を、若い人にアピールしようとしたのでしょう。
ハードルを下げるべく。
アイドルを起用すれば、美術に関心のない層にも興味を持ってもらえるかも、と。

ほら、よくテレビのスポーツ番組や教養番組で、アイドルや俳優など芸能人をホストに起用するでしょ?
視聴率、話題性目当てで。
あれと同じ構図ですよ。

仮にこれが原田マハさんをキャスティングしていたなら、全く違った結果になっていたはずです。
ただ、それだとペルソナが「ある程度以上に、美術に感度のある人」となってしまう。
「美術館女子」の狙うコアターゲット層ではない。

ですから、今回の件は主催者や運営が「もう少し考えればよかったね」的な、ボタンの掛け違いだと思います。

上記リンクに、東大の加治屋先生が「美術館を映えスポットと呼んで、撮影場所のようにとらえるのは良くない」といった旨のコメントをされていますが。
昨今、展覧会によっては、むしろ美術館側が率先してやってまっせ。
鑑賞客のほうも、作品に向き合うどころか、作品の写真撮影に熱心な人もいるくらいで。
つまり、「映え」くらいにしか思ってない客もフツーにいるってことなんですよ、残念ながら。

それで集客が成功しているのだから、(賛否はともかく)そりゃあ映えをウリにするんじゃない?
ぼくは美術館で必要以上に写真撮影してるヤツらは大嫌い(作品の真ん前に長時間陣取ってスマホやデジカメを構えて、邪魔なんですよ)。

だけど、映えから始まって裾野が広がるのは、決して悪いことではないと思うのです。

たとえば100人の映え目当ての人が来て、そのうちの一人でも感動して美術の世界に足を踏み入れたなら。
それって、すてきなことじゃない?

この記事を書いた人

hiroki

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編集者 / ライター / ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート / SMWS会員 / 訪問したBAR国内外合わせて200軒超 / 会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年) / ひとり歩き / 健全な酒活 / ブログは原則毎日更新1,000記事超(2020年1月現在)/ ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性