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『イキウメの金輪町コレクション』乙プログラム、身近な不条理SF。

イキウメ『金輪町コレクション』

東京芸術劇場シアターウエストで公演中の『イキウメの金輪町コレクション』乙プログラムを観ました(2021年2月11日)。
架空の街、金輪町(こんりんちょう)を舞台に巻き起こる奇妙な話を綴るオムニバス。
それを「甲」「乙」「丙」と3つのプログラム(計11編で公演時間は6時間!)で上演するものです。

ベッドタウンというか片田舎を舞台にしたSF(ホラー)で唯一無二の世界観を創出するイキウメの前川知大さん作・演出。
今回は流行り病の中で充てた創作の中で、自身の戯曲にたびたび出てくる「金輪町」にフォーカスしてみようというのが契機だそう。
会場ロビーには、なんと劇団員が作ったという金輪町のジオラマまでありました。

イキウメ『金輪町コレクション』ジオラマ

乙プログラム4編は、

『輪廻TM』

寺に棲みついた路上生活の男2人は、そこで車椅子をカスタマイズした装置で時空移動の実験を繰り返していた。

『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』

投身自殺寸前の女の前に現れた男二人組は、女に対して奇妙な提案を持ちかける。

『許さない十字路』(『片鱗』より)

うわ言のように「許さない」しか言わない隣人に追い詰められる夫婦。

『賽の河原で踊りまくる「亡霊」』

賽の河原にやってきた死人たち。彼らに段ボールを積んでは崩し、の作業を指示するのは金棒を担いだ鬼。どうやったらこの作業をクリアできるのか。憤る死人たちに、鬼はブルース・リーばりに「考えるな、感じろ」と言い放つ。

生き死にかかわる不条理劇の4作です。
不条理というと何やら前衛的みたいですが、前川さんは既視感や「こういうことに遭遇するのはあり得るかも」と思わせてしまうのが怖い。
個人的には『許さない十字路』がツボで、理由がわからずに詰められることほど怖いものはないのだと戦慄しました。
早く次回作が観たいぞ。

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